1. チェンジリング(2008)
《ネタバレ》 悲しい話だけど希望に満ちていて、すごく良い作品だった。 権力を盾にした警察の欺瞞に立ち向かう勇気と、その原動力である母の愛情が、全編に渡って伝わってくる。 この話では警察側にも立派な人がいて、そこから進展した捜査がきっかけとなり裁判で勝ちを得ることができたのだが、それは稀なケースだろうし、実際に絶望的な力で押し潰されて歴史に埋もれてしまった人もたくさんいるのだと思うと、いたたまれない気持ちになった。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-01-20 21:02:39) |
2. ポケット一杯の幸福
中盤から一気に引き込まれた。 物売りの老女とギャングの大物。不思議な関係の二人が、周囲の温かい人々の助けを借りてつくりだす大芝居は、一つの小さなりんごから始まる。そこに人と人との心のつながりを感じた。 大団円は多少出来すぎな感じがしなくもないけど気にはならず、むしろ人間って本来美しいものなんだなぁと夢を与えてくれる。 作中に散りばめられたユーモアと心憎い演出の数々も素晴らしかった。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-01-07 11:17:19) |
3. 大脱走
まさに娯楽映画の傑作。最初から最後まで飽きることなく楽しめた。 登場人物のキャラが立っていて、あれだけ人数がいるにも関わらずゴチャゴチャした感じは受けないし、脱走の手順を非常に分かりやすく子細に説明してくれている。 古い作品でしかも同ジャンルの名作が多い中、未だに色あせないのはすごい。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-01-05 21:42:58) |
4. ブルース・ブラザース
《ネタバレ》 「人は誰でも何をしてても、結局は持ちつもたれつ」この台詞が大好きです。 見るたびに笑顔と元気をくれる作品。 憎めない二人組が周囲を引っ張り、巻き込んでいき、やがて大きな渦を巻き起こす。 正直ストーリーはあってないようなものだと思うし、 度々登場する女性の存在意義がイマイチわからなかったけど、 二人の魅力がそんなことは帳消しにしてしまう。 派手すぎるカーアクションも、ここまでやると良くなるもんなんだなぁと変なところで感心。 言うまでもなさそうだけど、豪華キャストによる歌の数々もほんとに素晴らしい。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2009-12-27 21:00:12) |
5. カリートの道
裏の世界の厳しさがひしひしと伝わってきて、息を呑む展開の連続で面白かった。 アル・パチーノ、ショーン・ペン共素晴らしい演技だったが、 クラインフェルドが主人公を食ってしまいそうなほどよく練られた素晴らしいキャラで、 後半、展開の一つ一つに噛みだしてからより一層引き込まれた。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-02-03 20:17:17) |
6. ザ・ハリケーン(1999)
差別や陰謀に屈しないハリケーンの強さと、危険を省みず彼を救おうとする仲間の姿に感動した。 ボクサーとしてではなく、一人の人間としての彼の人間性や哲学が繊細に描写されている。 ボブディランの曲も良く、彼が何故万人から愛されるのかわかった気がした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-01-31 20:57:54) |
7. カンバセーション・・・盗聴・・・
《ネタバレ》 前半は普通。しかしラスト30分で強烈すぎるほどのインパクトを残してくれた作品。ヘタなホラー映画よりよっぽど怖かった。 罪悪感に苛まれ、次第に心が病んでいく過程がよく伝わってきたし、テープの巻き戻し音や同じ台詞を心の中で何度も繰り返す等、「盗聴」が題材なだけあって「音」にこだわった演出も非常に効果的で、病的な雰囲気を増幅させている。 オチのどんでん返しと、ラストの強烈なしっぺ返しも監督の妥協の無さが伝わってきて好みだ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-01-16 21:18:36) |
8. バンク・ジョブ
《ネタバレ》 構成がしっかりしていてとても分かりやすく、スリルとスピード感溢れる展開は見事だった。 過去かなりの数の映画やテレビ作品で使われている題材なだけに斬新さは感じなかったが、これが実話を基にしていることが分かってほんとびっくり。 この事件以降偉い人たちの宝物の隠し場所も変わったんじゃないだろうか。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-01-13 21:19:53) |
9. ユナイテッド93
これまでテレビや本で知った事実が、熱を持ち急速に揺れ動き、悲しみがこの作品の臨場感に伴って著しく増幅した。 四機のうち一機が墜落した国防総省だけダメージが少ない、実はアメリカ側の自演で、テロリストに支払った小切手が見つかった等、その真相を疑問視される9.11事件において、この作品も、事実を知る軍の人間が名前付きで証言した内容から、各所でプロパガンダだと揶揄されたのだが、大多数が納得するような明確な答えはいつまでたっても出ず、調査の結果、結局そんな人間は存在しなかったとも言われている。 プロパガンダか否か、その判断は不可能なほどに困難だが、知識を追い求め真相に近づくことは決して無意味ではない。 とはいってもこういったドキュメンタリー作品一つ一つで作品外の知識を求めようとすると、骨が折れるどころの騒ぎではない。だからプロパガンダ云々はまず置いといて、純粋に史実としてこの作品を受け止める必要が見る側の人にはあるのだと思う。 真実は藪の中でも、実際に亡くなった人がたくさんいることには違いないのだから。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-01-08 23:53:07) |
10. バンド・オブ・ブラザース<TVM>
E中隊の辿った軌跡を壮大なスケールで精緻に描き出している。 感情表現を極力抑えることで戦争の残酷さを浮き彫りにしているところに好感が持てた。 一話ごとに戦死者が出て、過酷な環境の中徐々に弱っていく兵士たちは、束の間の安息に浸り、再び戦地へと赴いてゆく。 そこからどうすることもできない深い悲しみをありありと感じ取った。 後の精神的犠牲も計り知れないものだったんだろうなぁ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-01-05 22:02:49) |
11. L.A.コンフィデンシャル
《ネタバレ》 とにかく濃密で完成度が高く、すごくおもしろかった。 三者三様己が道を行き、(ラストにちょっと生まれるけど)友情は二の次で、信念や利害が重なった時にそれぞれ心強い味方になる。ここらへんに大人のかっこよさを感じた。 謎解き要素もしっかりしていて、いくつもの展開が中盤から終盤にかけて交わりあい、次第に真相に近づいていく構成に一気に引き込まれる。 ただ不満というか希望だけど、あそこまでしっかり展開作りをし、キャラクターの個性も存分に引き出してくれたので、ラストは銃撃戦じゃなく息詰まる心理戦のようなものにしてほしかった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-01-02 11:52:57)(良:1票) |
12. タクシードライバー(1976)
《ネタバレ》 不思議な魅力があり、一度見ただけでは全て理解できたと言い難かった。 ラスト10分であんなに印象の変わる作品も珍しいし、 おそらく最も重要な問題提起をそこでしてくるセンスにも脱帽。 堕落した街に身を投じた男が、次第に退廃していく様が丁寧に作りこまれていて、 あの独特のBGMや、けたたましいサイレンの音が危険な趣を与えていて良かった。 今でこそ病んでいく人間が凶行を、という事件は国内外問わずよく耳にするようになったが、 この時代にそれを題材にしたスコセッシ監督の先見の明にも拍手。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-12-28 21:01:09) |
13. ウォルター少年と、夏の休日
深みこそ少ないものの、笑いあり涙ありの良い作品ですね。 「信じることは真実に勝る」ということを教えてくれる作品なので、 ラストで明かされる真相は良い意味でどちらでもよかったし、 もし結局明かされずじまいだったとしても、それはそれで素敵な作品になったはず。 そういった部分からもラストに至るまでの展開が優れていたことが証明されている。 おじさん二人はほんとかっこいいし、名コンビだなぁ。 強さや優しさを、話で示し、行動で説明する。そこに理想の父親像を感じ取った。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-12-25 11:08:57)(良:1票) |
14. カリフォルニア・トレジャー
序盤はすごく嫌な予感がしてたけど、終わってみれば意外と良かった。という好きなタイプの作品。良い意味ですごく映画らしい。 しんみりとした場面では全然しんみりできなかったけど温かい気持ちになれたし、 ダメ人間だとか、正しいとか正しくないだとかは二の次で、大切な人は大切なんだ、という家族の結びつきの特別さに心地よさを感じた。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-02-12 20:14:54) |
15. 猟奇的な彼女
電車で注意する場面があったけど、大声で喋るのも同じくらい迷惑なような・・・それはさておき、なかなかおもしろかった。 ラストはすごくきれいな締め方で、添えられたナレーションも心に染みた。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-02-03 20:26:58) |
16. まだらキンセンカにあらわれるガンマ線の影響
感情を抑制できない、まさにガンマ線のように強烈な母と二人の娘の日常を描いた問題作。 気が強く奔放な姉と違い、大人しい妹は母に感情をぶつけることもできず、日々黙々と科学の勉強に励む姿に悲哀や孤独を感じる。 この母親がほんとに良いとこなしで、ひどさだけが目に付き気分が悪くなる。さらに過去に見た数々の作品の中でもトップクラスの後味の悪さ。 ただ、こんな話を思いつくこと自体はすごいと思うし、テンポも良くストーリーもしっかり練られていたので評価が難しいところ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-01-31 20:42:51) |
17. レオン(1994)
《ネタバレ》 屋上からの射撃練習などのいくつかの場面と、刑事のキャラがちょっとアホらしかったのが残念。 それを除けば最後まで楽しんで見ることができた。 短い時間にうまくまとめてられていたので、どう違うのか完全版も見てみたくなった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-01-12 22:17:20) |
18. 天井桟敷の人々
第二部はすごく良かったけど、第一部が少し冗長で退屈してしまった。 ガランスはあまり好きになれなかったものの登場人物は魅力たっぷりで、 ロマンチックなストーリーと美しい名台詞の数々に引き込まれた。 喧騒に包まれたパリの街で、無言劇を演じながら夢や愛を追い求める彼らもまた天井桟敷の人々なのだと感じた。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-01-08 22:25:35) |
19. ウォーリー
《ネタバレ》 シンプルながらも心温まる作品で、エンディングの曲も良かった。 欲を言えば、人間があまりにも画一化されすぎていたのでもっと丁寧に描いてほしかった。 設定から鑑みてもそれが狙いなんだろうけど、その中にもう一工夫があればなぁ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-01-02 11:31:22) |
20. アザーズ
《ネタバレ》 見終わってまずはじめに、とても完成度の高い作品だと思った。 投げかけられた謎の全てに納得のいく答えが出されているし、 伏線もちゃんと回収されている。 ある程度予測できちゃうところもあるんだけど、 ミステリーで全く予測できないなんて相当稀なケースだと思うので、 特殊な題材だけどこのジャンルの中でも上位に位置付けられる作品なんじゃないだろうか。 最後の方に出てくるおばあさんがいい感じに怖かったのと、 お父さんの登場によりここまでやるか・・・というぐらい暗くなったのが印象的。 他の方がご指摘されてるように、ここはいらなかったんじゃないかなぁ、とも思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-12-26 00:06:43) |