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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1620
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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【製作年 : 1970年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  ロッキー 《ネタバレ》 
人生とは孤独で苦しい闘いであり、ボクシングとは正に生きることの縮図である。そして本作は「人生における真の勝利」を描いた映画であり、それはボクシングでの勝利ではなく(勝ってないけど)、一個の人生で「何者かに為れたこと」である。観るたびに、試合以降は何故か流れる涙を止めることが出来ない。テーマを聞くだけで魂が燃え上がる、最高の映画。
[DVD(字幕)] 10点(2019-11-17 00:15:04)(良:1票)
2.  肉体の悪魔(1971) 《ネタバレ》 
映画史上屈指の、トンデモないレベルの大・物議を醸した世紀の問題作!とのコトでして、今だに媒体に乗っかるダケでもプチ騒ぎになるという代物らしーのですね。まァ私も、ナンスプロイテーションの嚆矢だ、とか言うハナシを小耳に挟んだのでちょっと食指が動いちゃった…位の軽い気持ちで観てしまったのですケド、観ると確かにソレは嘘ではねーのですケドも=エログロのレベルも(1971年製作とは思えない)相当なハイレベルではありましたケドも、根本的にはそーいう問題ではない・ちょっとかけ離れたレベルのド級の倒錯映画ではありましたですね。とは言え、私が観た国内LD版は109分=アメリカ公開版というコトらしくて、んで111分てのがイギリス公開版⇒だケド本来の尺は115分、とのコトなので、コレでも(マジで)ヤバい場面はかなり削られてる…という顛末だとは理解しているトコロではあります。  でも重ねて、コレはナンスプロイテーションなんて低級な作品では全くない、完全なる+無類なる芸術…て方のヤツですよ(一目観れば分かる)。モチロン、描かれるのは唯々、人間の真に醜い側面「のみ」ではあるのですし、原題どおり本当にそーいうイカれたヤツしかほぼ出て来ない作品でもあります(グランディエの嫁が多少マシな位で)。しかし、喜劇と悲劇と狂気を綯交ぜに包含する深遠な世界観と言い、それで居て歴史に題材を取った(ある面で確実に)リアルな=共感せざるを得ない物語の構成を擁するコトと言い、美術・セットはじめとした細部までの綿密なつくり込みに裏打ちされた画面の卓越した出来と言い、超・極めて完成度の高い傑作だとしか言い様がありませんです。断言しますが、こーいう映画を4Kで観れる様にするべきなんですよ!(80年代ホラーをリマスターしてる暇があったら、コッチをどーにかしろよ!と言いたい)  完成度の高さ、という意味ではまた、演技の面も(もはや当然の如くに)諸々と実に鮮烈・良質な出来だったと思います。ヴァネッサ・レッドグレーヴの暗黒なる狂気とゆーのは、昨今でもホラーの界隈においてすらもちょっと簡単には拝見出来ないというレベルの代物だったと思いますし、そして後半はまた、主役のオリヴァー・リードのイギリス演劇風な圧巻の大演説!が物語をグッと引き締める素晴らしい出来だったと思うのですね。うーん…実に見事な……としか言えないです。。(海外版=完全版のDVDを調達してしまいそうです。。)
[レーザーディスク(字幕)] 9点(2023-07-09 18:44:52)
3.  (秘)色情めす市場 《ネタバレ》 
醜い世界の過酷な境遇に生きる女性に美を見出す、とゆーのは、古今東西問わず結構よくある映画的シチュエーションだと思うが、そーいうのを男の下卑たサディスティック指向と結びつける向きが一部にあるのは、これも然も当然なコトだとも個人的には考えている。だから重要なのは、そのドン底の境遇のリアリティなのだろうな、とも感じているのだよね。実際に在るコトなんだからしょーがないじゃない!とゆーのが(少しばかりの)エクスキューズになり得る、とでも言いますか。  その意味では、本作の凄さは二つの点にあるかと思う。まずは全編釜ヶ崎ロケというものの凄まじさ。画面から放たれるとんでもなくヤバい雰囲気には終始マジで圧倒されるのだし、ややドキュメンタリチックな撮り方もその意味では非常に適切だったと思う。この一点だけでも間違い無く観る価値のある古典的作品だと言えるし、そもそも相当に撮るの苦労したのではないかとも容易に想像できるのだね(その意味でもレガシー的価値がある、とゆーか)。  もう一つはモチロン、主演の芹明香ですよ。彼女が居なければ・彼女でなければ全く成立しない作品だし、ここまでのハマリ役とゆーのは正直他に観たことが無い、というレベル(ホントにこーいう生まれです、と言われても二もなく信じてまう、つーか)。そして一方で、これ程までに美しい・神々しい女性美・母性美とゆーのは、私はこれも他に匹敵するものを知らない。この点に関しては同種の映画、つまり『カビリアの夜』だとか『ダンサー・イン・ザ・ダーク』とか『西鶴一代女』すらも上回る、と個人的にはそのような感覚を持っているのですよ。  現代に至って、本作は完全に人間ドラマとして評価すべき作品であることには何の異論もないと思われるが、その面の完成度は(そもそもがポルノであることもあって)決して他と比較して高度だ、とは言えない様にも思う。とは言え、類稀でユニークで絶大なとあるクオリティを備える屈指の傑作であるのも絶対に間違いは無い。全力でオススメしたい作品です。
[DVD(邦画)] 9点(2021-07-10 20:49:51)
4.  惑星ソラリス 《ネタバレ》 
独特の時間感覚と美的な画面の数々により、美術館で絵画鑑賞でもしてるかの様な感覚に陥る程に芸術性の高い作品。で在りながら、描かれるテーマはSF感を多分に纏いながらも心理的・哲学的で深い。タルコフスキーとしては『罪と罰』風なストーリーも(比較的だが)分り易く、また十分に物語としての面白さを備えており、芸術的映像表現・テーマ・ストーリーを非常に高レベルに両立させたハイクオリティな作品と言ってよいだろう。  敢えて難を言えば、確かに非常に眠くなる作品なのは否めない(都合3回目にしてようやく完走できた)。正に観る睡眠薬。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2019-11-21 22:27:03)
5.  悪魔のいけにえ 《ネタバレ》 
異常性・狂気の際立つ演出&展開と、レザーフェイスの稲妻の如き殺戮が炸裂するショックシーンのキレ味だけでもホラーとしては一級品だが、本作の凄さは、狂気と暴力のどちらにも、何とも言えない「ホンモノ感」が出ている点にある(女優の演技も本気度120%な感じ)。怖さと悍ましさは現在の基準に照らし合わせても特大で、歴史的傑作ホラーなのは間違い無い。
[DVD(字幕)] 9点(2019-11-20 21:38:04)
6.  スティング 《ネタバレ》 
つくりはあくまで明るくコミカル、それでいて随所に漲る心地良い緊迫感や、全体にこれでもかと散りばめられた極めて上質な仕掛け、そしてラストには映画史上最高のドンデン返しと、全編通して非常に完成度が高い。アウトローながら仲間のために命を張るという好漢にしてプロフェッショナルな詐欺師集団は、いずれも素晴らしい演技。絶対に面白い映画の一つ。
[DVD(字幕)] 9点(2019-11-20 21:33:49)
7.  オーメン(1976) 《ネタバレ》 
暫く前にリメイクの方を観ていたのですが、続編公開に合わせてオリジナルも再見してみました。まあ、やっぱ面白いですよね。とゆーか、今作と『エクソシスト』とかもそーだと思ってるのですが、コレら70年代の名作は根本的にはホラー映画って「ジャンルもの」と言うよりは恐怖要素の入ってる一般映画(⇒また根本的にはどっちかちゅーたらサスペンス)の超高水準作品てコトかと思うのですよね。だって、監督がリチャード・ドナーで主演がグレゴリー・ペックなんですよ?その意味では更に、描写の質とかって言うよりはまた×2、後半の「謎を追う」部分のクオリティ+凝縮度の高さが実に非常に見事だと思うのですよね(⇒何度観ても緻密な脚本だな~と)。その意味では、まま普遍性を備えた(ホラー的)作品だ…とも思うのですが、惜しむらくは結構広範に「ネタがバレて」しまってるから⇒結果として(今今に初見だよ!って方だと)心地好い驚きを持って観れない…とゆーコトもあるのかな~と思ったりはしますかね。  ただ、とは言え、私が今作に見出している「恐怖」の要素・根源とゆーのも、またある種非常に普遍的なモノではあるのですよね。色々観てきて思うコトは、やっぱ自分の子供とか親とか、そーいう絶対的な存在が(翻って)絶対的な悪であったとしたら、それって相当に怖い・恐ろしいと思うのですよ(⇒否、ある種「怖すぎる」とさえ)。また×3根本的には今作って「実は本当の子じゃない」ってヤツではあるのですが、前述どおりコレが本当に実子だったのなら(マジで)恐ろしすぎる・惨すぎる…とゆーコトなのかな~と思ったりもしますよね。その観点からは、当然私にもネタはバレてしまってるのですが、ソコをそーじゃない or もしコレが本当の我が子だったら…という別視点を持てるのならば、今今に至っても・諸々の描写にもまた別の意味&味わいが出てくるってコトもあるかとは思うのですよね(⇒言わずもがなオーラスだとか)。その辺は、やはりホラーの歴史に残る名作=人の世における「真の恐怖」を描いた映画である、と言っても好いポイントかな~と思いますかね(チョイ大袈裟ですかね)。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-04-02 23:11:53)
8.  離愁(1973) 《ネタバレ》 
ロミー・シュナイダーって、実はシモーヌ・シニョレにソックリなんですね。華やかなイメージとゆーか、勝手に明るい髪型の印象を持っちゃってたので気付きませんでした。しかし、やっぱ色気も昼より夜とゆーか、今作ではひっつめた髪型に黒い服で、かつ終始静かな表情…だからこそ、ココぞの場面のソレと来たら、最近結構エロティック系の映画を観まくってる私でも「おおお…」と思わず呻いてしまうかの様な鮮烈な匂立つ様な妖艶な、と言いましょーか。中盤、夜も走り続ける汽車の中で、音も無く抱き合って、また一つの言葉も漏らさずに幾度か唯々仰け反るシーン、なんて、私も流石にアレはもう堪らなかったですよね。  映画全体のつくりとしたって、諸々と「今後はもうこんなん無理だな…」とゆーか、最近の戦争映画じゃあ既に許されないだろ!みたいな勢いで、シリアス最高潮な状況で(それそっちのけで)全力全開で恋愛(不倫)映画やってくれてるのですよね。でも、だからこそソレこそが人間の性であって、なので(ある意味)より一層真実に近いソレだとも思うのですし、それ故にそのオーラスだって、逆にコレはもうそーいう次元を疾うに越えてしまったソレなんだ…と心底から納得できたのですよね。映画を沢山観ていると偶に、逆にこーいうのを現代の価値観・倫理観(主に製作者としての)でどーやって越えてゆくんだ…みたいな感覚に陥るコトがあるのですが、今作は正にそーいう作品だったのですし、だからこそまた紛うコト無き傑作だ、と思うのですね。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-03-13 12:51:23)
9.  アニー・ホール 《ネタバレ》 
まあ確かに、根っこのトコロにソコまで「体重」が乗っかってるって作品ちゅーよりは、お洒落で軽いノリの(気楽に観れる)恋愛コメディだ、とも感じるのですが、演出・脚本におけるテクニック的な部分や、主演二人の役への「ハマり様」とかに関してはまま歴史的にも高水準だと思ったのですよね(⇒ウディに関しては「ハマってる」って言い方もナンか違うよーな気もしますケドも)。ただ其処でいくぶん、ロマンスにせよコメディにせよどちらにしてもが今や「ノスタルジック」に為りかけている気もしますが(⇒特にその、お洒落と知性=シニカルを「自己防衛」として身に纏うコトが実に鼻に付く感じなぞは)それでもごく軽妙なダケに私も終始、思ったより気楽に笑えて・且つ(ラストでは)チャンとしんみりも出来たかな…と少し驚いてすらしまいましたね。随分久方振りの再見なのですが、意外なマデに楽しめちゃいました。この手の(恋愛)映画としては最高レベルに好みでしたね。  一点、ゆーて今作でもダイアン姐さんは、私としても(ある面では)非常に魅力的に見えなくもないのですよ(⇒朗らかに健やかに超・危険運転を繰り広げるサマなんかには、流石にちょっと眉を顰めるしかなかったりもしたのですケド)。でも一方で、逆に今作のウディ・アレンとゆーのは、女性の観客さん方からはどう見えてるのかな?と思ってしまったりもしたのですよね⇒つまり、女性からはコレが(シンプルに感情移入の可能な)「恋愛」映画として観れるのか?と。まあ重ねて、根本的には「相性の好い」二人だとも(ソコは確実に)思われるのでして、且つはその部分って恋愛としてはより「本質」にも近い、それを(ワリと短尺で)描き切っている映画だ…と捉えるならば、その面でもやはり「高度な方の」恋愛映画だったのだ…と言えるっちゅーコトなのかも知れませんケドね。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-02-23 12:29:59)
10.  Tommy/トミー 《ネタバレ》 
わー私コレ好きですわ~シンプルに音楽の感じがだいぶ好みっすね!形式としても、そもそも私オペラ好きなんで嫌いなワケが無い。恥ずかしながら「ザ・フー」をチャンと聞いたコトすら無かったのですが、クラシカルなロックでノリが好くて実に心地好かったですわ。ゲストのティナ・ターナーとかエルトン・ジョンも存在感ありましたし、終わり方も個人的には超・爽快でしたね。また観ます。  話の内容自体が結構ブッ飛んでるので、監督ラッセルの(コレも必然的に)ブッ飛んでる映像表現とも(何とか喧嘩せずに)ウマく調和してましたよね。その上で、役者としてはお母ちゃん役の女優さんがメチャ頑張ってたのではねーでしょーか。随所でかなりハッチャケてましたし、と言ってシリアスなシーンも手を抜かず、しかも歌も自前なのですね(フツーにチャンとプロ歌手だし、その方面のステージ経験も豊富な方とのコトで)。納得&脱帽。
[DVD(字幕)] 8点(2023-08-31 08:51:51)
11.  警視の告白 《ネタバレ》 
タイトルにある「警視」てのはマーティン・バルサムのコトで、んで若きフランコ・ネロが検事の役なんだからシンプルにバディものだったらもっと分り易いのでしょーケドも、本作はソレよりは多少捻りが効いた方のクライム作品なので筋書き自体はもう少し複雑で、かつまあまあ尺もコンパクトな方なので(特に序盤は)台詞がメッチャ多かったり=イタリア語の洪水状態だったり、もするのですよね。随所で他の方のレビューも読む限り、やや「難解」と言える域の作品…なのかと思います。その分り難さ自体は、私自身にも確かに感じ取れる程度のモノではあったのですし、特にサスペンス的な完成度…という観点では少し「粗削り」と言った方が好い程度のモノ…かとも思うのですよね。  しかしコレ、その辺を差っ引いても相当に面白い方の社会派サスペンスだと思いますよ。この時代のイタリアって本当に腐敗も不正もナニもかもが凄まじかった…てのは他作品に依っても知るトコロではありましたし(『シチリアーノ 裏切りの美学』とか)だからこそ、この複雑な筋自体にも・或いはバルサムとネロの二人の「正義VS正義の闘い」にも十二分なる説得力&半ば強制的なる感情移入をひしひしと感じて観てゆけたトコロなのです。オーラスは、結構コレも鳥肌モノでしたですね⇒私が思ったのは、映画と(ある種の)実世界が繋がる瞬間を、こんなにシンプルにやってのけるか…!というコトでした。監督はこの分野の(半ばドキュメンタリ的な)映画をこの前後でも多く世に送り出したらしく、他の作品も観たい…  追伸:マーティン・バルサムがこの頃、イタリア映画に結構出てたとゆーのは(恥ずかしながら)知らなかったのですが、流石の名優の面目躍如!たる(コレも)実に説得力満載な上々の出来でした。マカロニ・ウエスタンとかにも出てるらしいので、ソッチもちょっと観てみたいトコロすね。
[ビデオ(字幕)] 8点(2023-07-08 09:07:59)
12.  ワイルド・ギース 《ネタバレ》 
70年代の戦争アクションなので、それより以前のより牧歌的なそのジャンルの作品だとか、他にもごく西部劇的な方の(緩めの)質感も大いに残して居る…という感じでして、結果的には正直、単純にアクションを目当てに観る…とゆーのなら(私もまた確かに)近年のそーいう系統のヤツを観た方がおそらく楽しめるかな…と思います(でも、最近の戦争映画ってごくマジメ「すぎる」位にマジメなのばっかなので、ココでお気楽系の戦争映画の方が観たい!となると、どーしたって第三国産とかになっちゃう…という気もしますケドね⇒ロシアとか)。  ただ、特にその「傭兵の悲哀」を描くドラマ部分については、ソコでやるべきコトってのはこの映画でほぼ完成されているのではねーか…とも思いますよ。確かに、前半のリンバニ救出作戦の成功までってのは(さっき述べた)お気楽系娯楽戦争映画の域から出ない作品だとも思いますし、全体を通しても端的なアクションの質は(コレも前述どおり)陳腐化ぎみ…だと思います。しかし、クライマックスの脱出シーンの悲惨さ・惨さ・やり切れなさ+その場面に於けるリチャード・バートンの「凄み」なんかに関しては、重ねてソレを通じて描き出す「傭兵の悲哀」という概念そのモノを含めて、コレ以上のやり方とゆーのは(今後とも)在り得ないのではねーか…と思ってしまいましたよね。結論、シンプルが故にもはや普遍的…という類いの優れたクオリティを備える優れた映画だったな、と思います。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-04-30 16:49:27)
13.  わらの犬(1971) 《ネタバレ》 
どだい、私の好み、とゆーかポリシーからすれば完全に真逆の映画ではあります。そして、少なくとも前半半分くらいはシンプルにごく退屈で、かつ(ソコまでとて)極めて不快な映画でもあるし、もしソコから先に(ソコまでとは違うモノが)ナニか待っているのだとしたら、ソレとてまた極めて「邪悪な」カタルシスでしかない…とも思うのですね。しかし、ひとつ確実に言えるのは、その不快さ・邪悪さこそが監督が真に、本当に描きたかったモノであって、そしてその企ては(今作の持つそのネガティブな側面に至るまで悉く)総て完璧に成功している…というコトなのですよね。個人的には、ゆーて今作に描かれるモノは『戦争のはらわた』で監督が描いたモノにもかなり近い…とは思いました。が、むしろ戦争というエクスキューズが無い分、ソレはより邪悪なモノ(=監督が描きたいモノにより近いモノ)にさえ感じられた…と言いますかね。  結論、重ねて、テーマには全く完全に共感できない作品ではあります。が他方、ココまで「完成度」の高い作品とゆーのも(個人的にも)また稀有だ…と思います。個人的にいちばんシックリ来る評点は、実は1点か9点ですかね。が、私はこーいう作品に1点を付けるってのは(ソレも)今まであんましやって来ては居ないのです。でも重ね重ね、じゃあ今作に9点を付けてしまうのも何処か「悔しく」感じるトコロではありますので、ココは日和って1点ダケ引いておくコトにします。しかし、観て損は無い作品でした(機会が在れば是非)。
[DVD(字幕)] 8点(2023-04-08 00:37:29)
14.  サンダカン八番娼館 望郷 《ネタバレ》 
原作がノンフィクションとゆーコトなので、内容それ自体は(劇映画=創作とゆーよりは)確実にドキュメンタリの方に近い作品だ、とまずは思うのだし、ソコに対しては正直面白かった…とか私がどう感じた…とか、或いは(娯楽として)楽しめたかどーか…などという個人的な部分の評価もナニも無い、とも思う。私の評点はひたすらに「観る価値が有ったか」という一点のみを意味しています(⇒モチロン、ここに描かれているものは概ね真実である…という前提の下ではありますが)。否、出来るだけ多くの人に観て貰いたい映画だ、とゆーのが正直なトコロの感想でありますね(出来れば全国民とかに観て貰いたい)。  ただ一点だけ、ココだけは「映画として」大いに評価したいのが、何と言っても田中絹代さんですよね。今作の絹代さんもある種モ~「演技の域を超えている」とゆーか、正に本物・本人にしか見えない…というレベルの超絶技巧だったかと思います。実にお恥ずかしいコトですが正直『山椒大夫』『雨月物語』『西鶴一代女』位でしか観たコトが無かったのでして(でも、それら作品を観た時にはやっぱ心底「凄い女優さんだな…」ともチャンと思っては居たのですよ⇒特に『西鶴一代女』は)今後はもっと意識的に古い映画も観るようにします(反省)。
[インターネット(邦画)] 8点(2023-02-15 18:18:03)
15.  ウィッカーマン(1973) 《ネタバレ》 
カットにカットを重ねて削りまくってのこの尺というコトらしいですが、サスペンス部分の出来映えはソレでもかなり高度で緻密ですよね。なので、ある種どーいう演出方針を採用したとしてもそこそこ面白くはなる優秀な脚本、というコトだとは第一にも感じます(件のリメイクですら、ソッチから先に観た…て人だと決してソコまで悪い評価にはなっていない様にも思われますし)。  個人的にはその上に、一つホラーとして・或いはもう一つその「カルト」としての雰囲気(or「世界観」)とゆーのがまた実に興味深かった・面白かったと思うのですね。やはり単純に、知性(人間性)を残す一方で明確な悪意を持って団結した一団、とゆーのは正直いちばん恐ろしい…と思うのですよ(ゾンビよりよっぽどタチが悪い)。その時点でホラーとしたって(よく考えれば絶対に)かなり怖い作品に為らざるを得ないと思うのですし、その一方で本作はソレを終盤までひた隠しに隠して(⇒その為に風変わりで滑稽な演出をふんだんに纏って)居るが故に、また立派に奇天烈極まる「カルト」とも為り果てているのだと思うのですね。オーラスまで、実にユニークな空気感だと思って観ていましたし、そのオーラスはまた至極に美しいカットで終わっていったりもするのですが、その最中は何とも薄ら寒い極上の「ホラー観た感」をも感じ取れていました。傑作かと。
[DVD(字幕)] 8点(2022-12-26 19:12:08)
16.  女渡世人 おたの申します 《ネタバレ》 
続篇ですが、藤純子さんの役柄は(中身はともかく)前作とは別人で太田まさ子、人呼んで「上州小政(女小政)」たァ、中々に威勢の好い通り名で御座いますな(元祖は若くして死んでるんだから、縁起でもねェとも言えるケド)。  しかしコレ、前作よりも格段に出来がイイですわ。基本的な内容は(また)だいたい同じなのだけどドコが違うかと言って、ひとつはやっぱし「渡世人」をチャンと描いてる、というコトに思えます。ただただ善玉な任侠が悪いヤクザを退治する…だけだと、ハッキリ言って『水戸黄門』の類になっちゃいます。が、本作では渡世人の仁義の価値観や心意気、或いはそれ故の因果な身の上なんかがしっかりと描き込まれ、それが任侠ものの面でも人情ものの面でも両面からお話に深みをもたらしています。あと単純に前作よりも全体のテンポが整ってた、とも思いましたかね(緩急自在…といった感じ)。役者もこれまた前作より多彩で、かつそれぞれ上質な役割の果し様でした。島田正吾のとっつぁん・三益愛子のおっかさん、今作のコメディリリーフは爽やかお調子者・南利明、待田京介は一見はいっぱしの任侠風ながら実はアコギな敵役で、かつどーも女に弱いらしい、と。あくどい親分役だって(あの)金子信雄に加えて前作から引き続きの遠藤辰雄とで二枚揃えと、コレも中々にゴージャスです。  しかし、何と言っても今作は(これまた)菅原文太でしょ。登場シーンはさほど多くなく、かつどれも静かなお芝居(修羅場は別にして)。でも、だからこそ伝わる熱い想い…とでも言いますか、今作は実は優れた恋愛映画でもあったのだ!とすら思いますな(最早)。『緋牡丹博徒』シリーズ屈指の名シーン・雪の今戸橋に倣ったか、今作でもまずは2人のそのシーンでは雨が降っている(ひとつ傘の中でしっぽり濡れる2人の艶やかさ・切なさ…と来た日にゃア!)。そしてオーラスのカチコミ前に菅原文太は言います「姐さん、アタシも一緒に、死なせてください」ああ、あはれ日本人てのは「愛と云うは死ぬ事と見付けたり」てなモンなのでしょーかね(「君のためなら死ねる」だのナンだの)。
[DVD(邦画)] 8点(2022-03-04 13:27:51)(良:1票)
17.  資金源強奪 《ネタバレ》 
3億円の奪い合い!というフォーマットはワリと好くあるシンプルなモノかとも思うのですが、異常なまでに状況・敵味方がコロコロと切り替わる、その意味では結構ややっこしい話に見えなくもないよーな気もします。しかし、意外なホドに全然分かり難さとかは感じませんし、と言うか根源的にはやっぱ非常に単純な「誰も信じられない」というダケのお話で、不自然さも殆ど無くむしろ「然もありなん」と実に納得してスンナリと観てゆけるのですね。その上で、やはりこんなに凄まじく諸々のテンポが好い(好すぎる)映画とゆーのも他にあまり見当たらねーなというレベルでもあって、その面からは至上に爽快・痛快な超優良娯楽作でした。地味に凄いですねコレ。  北大路欣也が善すぎず悪すぎず、かつ軽すぎず重すぎずで好かったですね(ガタイはちょい身軽めではありますが、ソレで最終的に梅宮辰夫と張り合うとゆーのも好いバランスだったと思います)。邦画では今やちょっと役者が見当たらないですが、海外・アジア(韓国)とかでリメイクとかしてくれたりしないかな、と思ったりしますね。
[DVD(邦画)] 8点(2021-11-05 22:42:01)
18.  天使のはらわた 赤い教室 《ネタバレ》 
これもポルノの側面よりもお話の内容の方を重視した系統のロマンポルノかと思うが、それでいてポルノシーンにも(お話上の)「意味」までが込められているという点において、内容とポルノが見事に両立・統合されている優れた作品だとまずもって感じる(ポルノ面については、実際に「抜ける」かどーかはまた別にしても)。まあ原作が優秀なのでしょうね。  ポルノ的には、中盤に挿入される主人公・名美と行きずりの男とのネットリした長尺の絡みの辺りが最大の見せ場かと思うが、この場面で女が抱く感情は情欲と言うよりはむしろ怨念にも似た執念であるかとも思う。その感情を表現する演技とゆーのが意外にも中々に秀逸だったです(ハッキリ言ってスゴく怖い)。ココは完全に観入ってしまいましたね。オーラスの輪姦される少女を眺める名美の表情も好かったです。今作は彼女の一世一代の名演、というヤツかも知れませんね。  もう一人、蟹江敬三も実に好かったすね~決して長大な作品でもないですけど、絶大な存在感、そしてその裏付けとなるキャラの「深み」とゆーのがこちらでもひしひしと感じられました。相変わらずイイ仕事してますね~(見た目も男臭くて実にシブいし)。これは傑作。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-08-21 01:05:04)
19.  赫い髪の女 《ネタバレ》 
こーいうのって、世界中でホントによくある光景だとは思うのですが、ド直球な映像化というのはあんまりされてない、のかも知れませんかね。生々しさ、という意味では昨今のAVよりもなお上回る様な気がしてます。どこだか知りませんが雨ばっか降ってて、実にイヤらしく湿り切った情景の中に描き出されるエロスというものは正に匂い立つかの様な出来映えです。台詞もどれも実にエロいし下品だしで、場末感というか底辺な感じというか、それがより一層情欲というものに真実味を与えているというか、この上なく素晴らしい質感ですね。  そーいうロマンポルノとしての質の高さを持ち合わせていながら、本作にはその本来の性質であるトコロの文芸的な趣き、というものまで微かながらしっかりと感じられる、という部分に、本作の傑作たる所以があるかと思っています。これはナンでしょう、例えば石橋蓮司のどことなく哀愁も漂わせる演技の質の高さ、あるいは地味に結構凝っている画づくりの質の高さ、そーいった個々の要素から生み出されている…?のかも知れませんが、個人的は結論は出せていません。しばらく後にまたじっくり研究したいと思います。  今回、ブルーレイを調達しての再見となりましたが、コレは画質が非常に申し分なかったです。購入検討されている方は、是非。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2021-04-05 21:11:21)
20.  断絶(1971) 《ネタバレ》 
観終わってのこの虚無感・徒労感と、それでいてどこかで確実に爽快感を感じている自分が居る……確かに、アメリカン・ニューシネマと言われる作品群の中でもある部分で際立った一品かも知れません。登場人物の誰もが(それは主要4キャラ以外のモブも含めて、ですが)とにかく何がしたいのか、何が目的なのかが皆目分からないままダラダラと物語は進みますが、終盤はその儚い関係性すらが雪崩を打って破綻してゆく、その様には何か「滅びの美学」とでも言うべきモノを感じ取りました。それこそが正にアメリカン・ニューシネマのテーマたる「善なるものへのアンチテーゼ」というべき価値観なのだろうと思います。中々の掘り出し物でした。
[DVD(字幕)] 8点(2021-02-11 18:49:33)
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