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茶蟻さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 17

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1.  幕末太陽傳
石原裕次郎特集の一編としてダメな映画ばかりに挟まれての鑑賞(通算3度目)だったので、余計に面白く見ら れました。と・に・か・く、この時代の日活産のプログラムピクチャーのタグイといったら、脚本からしてどうにもデタラメな映画ばっかりで、今回の特集でも『陽のあたる坂道』と『赤いハンカチ』を除いたら見るんじゃなかったってなものがだいたいだ。そこへいくと同じ日活でも、川島雄三の、いや、日本映画の最高傑作のひとつと言ってもいいこの珍妙な時代劇は、なにより、出てくる俳優がみなイキイキとしていて誰ひとりとして素晴らしい。南田洋子も岡田真澄も芦川いづみも、二谷英明ですら(笑)、それぞれがそれぞれの代表作とも言えるくらいに。裕次郎だっていつものような当たり前のようにあてがわれた主役ではなく、大勢の登場人物のうちのひとりに甘んじている(?)にもかかわらず、すこぶるカッコイイのだ。言うまでもなく、豪奢な二階建旅館を建築した美術班をはじめ、スタッフ陣も揃っていい仕事をしている(黛敏郎の音楽もおっもしろいぞ~)。岡本喜八を“人徳の監督”と評したのは誰あろうぼくだけど(笑)、川島もそんな周りの優れたスタッフや俳優たちに恵まれ、慕われた監督だったのだ。同じ川島作品なら『青べか物語』『女であること』同様、これからも映画館でかかるたびに足を運ぶことになるだろう。なお点数は、有名な逸話→会社側の反対で結末が思惑通りにならなかった、の無念さを考慮して1点マイナス、ということで。
9点(2003-07-18 23:27:23)(良:2票)
2.  花様年華
一年ほど前に劇場で初めて見たときはかなり衝撃的だったのですが、「毎週火曜日DVDレンタル190円」を狙って週に一回足しげく通い、「レンタル中」で数週間をやり過ごしたもののどうにかようやく借りられ再見したのですが、不思議、あの感激はどこへやら、もうひとつのめりこむことが出来ませんでした。その理由は、カメラワークなどにより平易なものを求める私自身の最近の好みによるものが大きく、狙いすましたようなショットの連続、繰り返されるスローモーションと音楽などがきっと今の気分ではなかったのだ、と思うようにしています。
7点(2003-06-28 00:07:50)
3.  8人の女たち
(撮影ひとつ取っても)雑に作られた映画だな~。二本立てで見たもう一方の『スコルピオンの恋まじない』(ウッディ・アレン監督の近年の最高作!)が“平易に撮る”の優れた見本だったのに対して、こちらはどうにもお粗末な印象ばかり。設定自体01年の日本映画『木曜組曲』に酷似しているけれども、鈴木京香級の魅力ある俳優がひとりもいないのにもガッカリ。ミュージカルの最大の面白みであるはずの“歌いだす瞬間のスリル”をまったく感じられなかった(全曲イントロ付きだからね)のも大きな敗因ひとつ。音楽それ自体もダメでしょう。安っぽいセット(“豪華女優陣”を際立たせるにはちょうどよいのかも)や当然それに合わせたのだろう衣装も終始気になりました。
4点(2003-06-21 19:56:09)
4.  至福のとき
そのまえに『「あの子を探して」ができるまで』を見て、いよいよチャン・イーモウの評価が(私の中でも)高まってきていたのですが、それだけにその数日後に見た本作にはいささか拍子抜けしてしまいました。『あの子を探して』のクライマックス<ホエクーの泣き>の真実(!)はおかしくておかしくて笑いがとまりませんでしたが、ここでのイーモウは<笑い>のセンスにもうひとつ精彩を欠いていました。『メメント』について松ちゃんが語っていたように、障害者ネタというのは実はコメディーに打ってつけで、本作もあれだけ“コケ”にできたのだから、それを転じてもっと<笑い>にだってなったはずです。バスが撤去させられるシーンでのロウアングルや広大な工場の空間を背にしたラジカセのショットとかの幼稚な画面構成(構図)、対話シーンでの安易な切り返し(カット割り)なども気になりました。しかしながら、主人公の女の子はさすが5万人の中から選ばれただけあってなかなかのカワイコちゃんで、私の行きつけの某中古レコード店で半年ほど前まで働いていたKさんを髣髴とさせ、その容貌を妬んだ中年女主人にクビにされたところなんてのも本作の成り行きと妙に重なったりもして興味深かったのでした。
6点(2003-04-09 11:47:08)
5.  山の郵便配達
連日続く某所某劇場での中国映画祭。日替わり2本立て上映の今日は土曜日、しかもカップリングがコン・リー主演の『きれいなおかあさん』なもんだから、いつものように上映開始5分前に到着したら既にほぼ満席状態。いつもなら前後ちょうど半分あたりのど真ん中を陣取るところを、後ろから2列目端から3番目の不本意な座席での鑑賞を余儀なくされたのでした。けれども、スクリーン正面からじっと「見入る」よりも、遠くの方からそっと「見守る」感じがちょうどいい、緩やかに流れる風景のような好編でした。ただ、それでも私には説明過多、台詞が多いように思えたのですが。
8点(2003-01-27 13:43:13)
6.  火垂るの墓(1988)
<たまたま中古で安く買えたDVDで初めて見ました> 清太のキャラクターだけを捕まえてこの作品を全否定してしまうのはあんまりにももったいないし、かといって寄ってたかって「感動した」だの「泣けた」だのばかり言ってるのもどうかと思います。だいたいこの作品は「泣ける」ように作られてはいないはずです。中学生とはいえまだまだ未熟で身勝手な清太の判断が引き起こした結果が<自業自得>として物語に常につきまとうからです。私はそんな物語的なことよりも、初めてこの原作を読んだ高畑勲は、なにより原作の持つ映像的魅力に喚起され、アニメイションで映画化したいと思い立ったのだと信じています。冒頭、タイトルが出る前後の2分間、中盤、蚊帳の中で壺に閉じ込めた無数のホタルを放つシーンなどは、<アニメ>で括らなくとも、日本映画の名場面のひとつとして数えられるものだと思います。そして、たとえとった行動が愚かではあっても、叢で並んで仲良くおしっこができるほどの幼い兄と妹の強い愛と絆をこそ伝えようとしたのではないのでしょうか。
8点(2003-01-19 14:47:55)
7.  初恋のきた道
<1年半前に初めて見て以来、すべて同じ劇場で通算3度目の鑑賞> 奥田瑛二監督作品『少女』と並ぶ、監督の変態性が全面に出たという意味で、映画史上稀に見る異色恋愛映画だと思います。奥田作品の方は実際にご覧になって確かめていただくとして、本作でのチャン・イーモウ監督は、可憐なる主演女優、チャン・ツィイーの<顔>を偏執的なまでに延々アップで捉え続けます。そのしつこさは途中何度も笑い出したくなるほど。たしか松ちゃんも言ってましたが、監督はよっぽどツィイーのことが好きなのだ、なんて推論が当たり前すぎて、ほかに何か理由があったんじゃないのかと邪推したくもなります。あいにく私にはツィイーはもうひとつ好みのタイプではないのですが、もしツィイーの役を意中のあの子が演じたら、とか、将来本作のツィイーの顔の部分だけご贔屓のアイドルやらに挿げ替えられるソフトが開発されたら、な~んて下らないこと想像しながら楽しんだ、まだまだ飽きない3回目でした。
8点(2003-01-19 11:07:32)
8.  あの子を探して
4~5日前、中国の携帯電話加入者数が世界一だなんてラジオのニュースが話していたので、この映画を見てほっとしました。最後の黒板のシーンで「金」なんて書く子供がいなかったことに、これまたほっとしました。苦言をひとつ。映画の中で涙を流すシーンは<泣き始め>から映さないとだめだと思いました。カット頭から涙が溜まってたり流れてたりすると、いっぺんに嘘っぽくなります。ここではウェイ先生の失敗をホエクーのテレヴィ前でのマジ泣きが救ってました。どうでもいいことをひとつ。邦題のニュアンス、本編の中でそのまま出てくる台詞によるなら、『あの子を探して…』ではなく『あの子を探して!』なんですね。
8点(2003-01-18 21:04:05)
9.  燃えよドラゴン
「強くなくては生きていけない 優しくなければ生きていく資格がない」。中学時代、仲のよかった友人の部屋へ行くと、石川秀美の隣に、冒頭の文句が添えられたブルース・リーのポスターが貼ってあったことを今でもよ~く憶えています。それが私のこれまでの人生で、ブルース・リーとの唯一の接点でした。車やバイク、プロレスやら『北斗の拳』などにまったくかぶれることなく今日まできたのは、極普通の女の子だったひとつ上の姉の影響の影響なのでしょうか、ブルース・リーもまたそれらと同じでした。それが。最近の個人的なDVDブームで、スーパー・ハリウッド・プライスなる安価シリーズの中から『狼たちの午後』や『Being There』なんかと一緒にまったくの気まぐれで買ってみて、見たのでした。これまでテレヴィの特番の類で決闘シーンなら断片的に見たことはあったのですが、実質これがブルース・リー初体験。彼が服を着ていることに驚き、話していることに驚き、しかもそれが英語であることに驚き、笑っている事に驚き、もちろん人間業とは思えない俊敏な動きに驚き、かっこいいテーマ曲に驚き、独特な怪鳥音とやらに「アチョーて…」などと突っ込み、ながらの鑑賞となったのでした。で。DVDのパッケイジにもそう書いてありますし、皆さん言われているように本当にこれが<ブルース・リーの最高傑作>(唯一の傑作?)なら、ブルースの夭折を誰よりも悔いているのはブルース本人だろうし、そのことを不憫に思えるくらいあまり出来のよくない映画でした。とまれ遅まきながら、合掌、なのです。
4点(2003-01-16 19:46:26)
10.  2001年宇宙の旅
見るんじゃなかった。94年5月、その71年(!)の歴史を閉じようかという大阪松竹座の最終上映(ほかに『風と共に去りぬ』『めまい』『北北西に進路を取れ』なんかもかかりました)で、そりゃあもうこの世のものとは思えないほどの巨大スクリーンで見て大感激したのがこの作品との最初の出会いでした。まさに宇宙的体験でした。その後、およそ9年間、あの時の感激を大切にするあまり、テレヴィやらヴィデオやら幾度の再見の機会を拒み続けてきました。それが。最近『2001年』と『2010年』が一緒になったLD-BOXを安価で手に入れ、ついうっかり見てしまいました。4畳半の自室で・真昼間に・カーテンなんて閉めちゃったりして・上下真っ黒のノン・トリミング版を・スタンダード・サイズの21型画面で……。安価で高画質、おまけに映像特典満載のDVDの登場以来、こだわりの映画ファンとて「映画は劇場で」なんて一概には言えない時代になってきましたし、常々どんな映画もいかなる状況であっても見ないままでいるよりはましだなんて思ってきましたが、本作に限り絶対に劇場で見るべきだと痛感したのでした。尚、点数は評価保留という意味で、現時点での平均点(7.7)を四捨五入したものです。
8点(2003-01-15 11:38:15)
11.  東京上空いらっしゃいませ
<所有LDにて10年ぶりに鑑賞> デビュー作である本作、本作のあとの『つぐみ』、たしか佐野元春が主題歌だった何年も前のトレンディードラマ、数年前たまたま深夜のBSで見た野田秀樹作・演出・出演の舞台劇『Right Eye』、そして近作映画『ターン』(傑作!)。一貫して牧瀬里穂は牧瀬里穂のままその唯一無比の個性を放ち続けています。その周りだけ小宇宙が形成されているかのような存在感は、すでに勝新の域に達しています。しゃべるほど笑うほどに寂寥感を醸し出す俳優なんてほかにいる?
8点(2003-01-14 16:59:19)
12.  サイコ(1960)
<購入したDVDで鑑賞> ただでさえ見所の多い本作にあって最大の見せ場といえば、初めてベイツ・モーテルを訪れた私立探偵アーボガストとノーマンとのやりとりの8分間。くるくると表情を変えながらも繊細にして絶妙の演技を見せるパーキンス。対して演技らしい演技をほとんどしないバルサム。疑われる者と疑う者の心のゆとりの違いを的確に描いて見せた、これぞ名場面。面白すぎ。とかく映画的(映像的)テクニックばかりで語られるヒッチコックにあって、ここでは演出の手腕が冴えに冴えた。
9点(2003-01-11 00:52:47)(良:1票)
13.  スネーク・アイズ(1998)
<ふた月ほど前にフリーマーケットにて購入したDVDを今頃になって初めて見ました> 本サイトの≪年別ランキング≫で検索してても思うことなのですが、いかに私が90年代の映画を見ていないかをつくづく実感した映画でした。ニコラス・ケイジといえば『バーディ』と『ワイルド・アット・ハート』とシャーリー・マクレーンとの競演作(タイトル失念)くらいでしか見たことがなく、ゲイリー・シニーズにいたっては、シニーズ自身の監督・主演作『二十日鼠と人間』(大好き)が唯一。ですから、「シニーズ=悪役」なんて先入観などどこにもなく、本編で明らかになったとき初めて「こいつが犯人だったのか!」とその意外性(!)に驚いた次第。驚くといえば冒頭の長回し。ケイジが会場に辿り着いたあたりで「まさか!?」と思い、一度リセットして最初から見直したりして「やっぱり!すごい!気づいた俺もすごい!」なんぞと感激するやら、鑑賞後パッケージ裏に「史上初13分ノーカット撮影」と誇らしげに書いてあるのを見つけて呆れるやら。デ・パルマ作品も『ファントム』『ボディ・ダブル』以来3作目。偉そうに語れる身分ではありません。
7点(2003-01-08 22:30:44)
14.  冒険者たち(1967)
ネタバレ注意です。その完成度の高さと、私自身10年振り2度目の鑑賞だったのですが、アラン・ドロンが飛行機に乗って登場することと最後の銃撃戦しか憶えてなかった自分の記憶力に愕然。ラスト、ゆっくりと上昇し旋回しながらの空撮に映る真上から見た要塞島の形「0(ゼロ)」は、莫大な財産と引き換えにかけがえのない友人ふたりを失ったリノ・バンチュラの運命、「人生、プラマイゼロ」を暗示しているのだ!と勝手に解釈。
9点(2003-01-06 16:47:26)
15.  十三人の刺客(1963)
『七人の侍』をお手本にしているのだろうことはそのタイトルを見れば簡単に想像がつきますし、実際そうなのだろうけれど、7のほぼ倍の13人の侍(刺客)を登場させながら、上映時間が『七人』(207分)より4割も少ない(125分)んじゃ、『七人』の最大の魅力であるところの<侍たちそれぞれの人物像を豊饒に描いてみせた>にどうしたって迫れるはずがない。ゆったりとしたとは言い難い、古い造りの小劇場の座席で見たからかも知れないけど、ラストの宿場での死闘もやたら狭っ苦しく感じたなあ。それともうひとつ、どんなシリアスな題材のものでも、「笑いを忘れた映画は名画にはなり得ない」のです。私の言葉です(笑)。
5点(2003-01-06 15:45:23)
16.  EUREKA ユリイカ
“北九州を舞台に過去の苦しみから逃れられない人々の再生を描く物語。バスジャック事件を生き残ったバス運転手沢井(役所広司)と中学生・小学生(宮崎将・あおい)の兄妹が、事件から2年後再会し疑似家族を築く様を描きます(オフィシャル・ホームページより)”。兄妹ふたりっきりで住む家屋(豪邸)に居候することにした役所は、心を閉ざしたきりの兄妹に対して闇雲に説教垂れるでもなく、いかにも効果的にビンタくらわしたりするでもなく、ただ淡々と共に生活することによって互いを<癒し>ていく。私は途中から、なるほどこれは<アンチ金八映画>なのだなと思って見ていたのですが、それが突然、終盤に差し掛かったところで、役所は兄妹の従兄役の斉藤陽一郎を旅行中のバスから引き摺り下ろし、怒鳴り(九州なまり!)、殴り飛ばすのであった。な~んだやっぱり金八じゃん、って。
8点(2003-01-06 13:35:02)
17.  月のひつじ
すぐれた恋愛映画(最近なら『春の日は過ぎ行く』!とか)を見たことで、見た人のそれまでの実恋愛体験が倍化されたりするように、この映画を見た人は、実際には30年以上前の出来事であり私も含めて多くの観客にとって未知なる歴史のひとこまであるはずの<人類初の月面着陸>を体験(目撃)したと言っていいのではあるまいか。な~んて錯覚させるほど、登場人物たちと喜びを分かち合えた気がした夢見心地なひとときでした。
8点(2003-01-05 22:15:02)
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