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キューブリックの映像センスに、私が初めて度肝を抜かれた作品。「レイプとウルトラ暴力とベートーベンがオレの生きがい」の名コピーは、古代ギリシャ時代人々が考える人生にとって最も素晴らしいもの「女と酒と芸術」や、ニーチェの考えた「生の喜び」の三要素「性欲・残酷・陶酔」などと見事に一致している。注目すべきは三要素の中に宗教が入っていないことで、ニーチェが入れていないのは当然としても、古代ギリシアにおいても「生の喜び」としては、宗教は入っていないのである(当然といえば当然だが)。この映画の主題も、ここにある(と思う)。(有名な話だが、キューブリックはもちろん無神論者)。よく言われることだが、扱ってるテーマは深いのにそれを説教臭くなくエンターテイメントに仕上げるのがキューブリックのすごいところ。『ターミネーター』みたいな頭空っぽの暴力映画に飽き飽きしてる人でも、偏見を持って観なければ楽しめると思うし、ロックが好きな人(特にパンクロック)はぜひ観るべし。セックスピストルズといったバンドに大きな影響を与えた作品である。ただし、家族で一緒に見ないように。
【アレックス】さん 10点(2003-01-06 16:14:08)
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