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《ネタバレ》 原作では二人の間に“愛”は完全になかった。生まれてもいなかった。佐久間は愛していたようだったけど、樹理は完璧な演技をしていた。原作では“愛”の欠片も残さない終わり方で、その部分に騙され、鳥肌が立った。しかしこの映画『g@me.』では、“愛”を中心にストーリーが作られていた。僕にはまったく別の映画のような感覚でラストを観ていた。狂言誘拐という犯罪を犯人側から見て、そして騙していたはずの自分が騙されていたという、原作で強く描かれていた事に加え、少し日本映画離れした“愛”を加えた事によってこの作品は大きく膨らんだのだと思う。原作、東野圭吾の素晴らしいサスペンスストーリーだけを“映画”にしてしまった時に残る、今一つシックリ来ない部分に、ラブストーリーという要素を井坂聡監督が加えた事によってしっかりとした“映画”にし上がっていたように思う。そして、ゲームの良い所は、ゲームオーバーになっても、何度でも何度でもやり直せると言う事。きっとあの二人もいつか、また、ゲームのスタートボタンを押せると思う。そう考えると『g@me.』というこの映画のタイトルは、完璧なのかもしれない。
【ボビー】さん 8点(2004-08-22 13:28:25)(良:3票)
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