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新訳という事で期待半分であったこと、
キャスティングの変更があったことで不安があったこと、 この2点がこの映画の大きな話題ではあったのだが 中身をみて物凄くがっかりした。 総監督の富野が群像劇として描きたかったのは良く判るのだが、 その分、全体的な纏まりが見えてこない。 副題にある「恋人たち」というタイトルに裏付けるように様々な 人の出会いを見せるのだが、その関係が尺の問題もあるが物凄く 希薄に見えるのだ。TV版の重苦しいシナリオ展開を見て当時から 感心していた自分には、この希薄さが非常に辛かった。 また、かなり台詞が書き換えられているのだが、 これがもうひとつの希薄さを産んでしまった気がする。 映画の尺の関係があるのは確かなんだが、 今回のメインとなるゲストキャラであるはずのフォウに TVとは全く違う言葉を言わせたが為に 結果としてフォウの存在自体が軽くなったと感じた。 多分、初めて「ガンダム」の映画を見る人にとっては判らないかもしれない。 しかし、これが新訳というのであれば、TV版からのファン、或いはDVD等でTV版を見た人にとっては新訳の持つ意味が非常に”つまらない”事になったと思う人がたくさんいるのではなかろうか。 キャストについては富野は若いキャラに若い声をと言っているが、 正直に言うと、若い声には程遠いという印象が拭えない。 富野は、かなりナチュラルに聞こえるから、ピンポイントとしては まったく気付かないはずと言っているらしいが、それはどうも総監督の富野の思い込みでは無かろうかと思う。気付く気付かない以前に声の使い方、感情の持っていきかたがTV版のキャストとかなり違っている。それと悲しいかな、池脇千鶴の演技が非常に拙い。「猫の恩返し」の時の演技が結構好きだっただけに、感情の持っていきかた、表情の変化の付け方が出来てないのが物凄く稚拙に感じた。この辺はジブリの映画と普通のアニメの違いなのかもしれない。 【奥州亭三景】さん [DVD(邦画)] 5点(2006-09-19 19:10:55)
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