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ド派手な銃撃戦のこの作品に対して、こういう喩えをするのも妙なんですが、それでもこの映画、なんだか“線香花火”を連想しちゃうのよね。ラストの対決の場面なんて、どこか、線香花火の最後の「散り菊」のような余韻を感じさせます。この映画の物語自体も、ひとつのテーマを循環形式のごとく変奏していくような感じ、これもまた、単色ながら変容を繰り返す線香花火。警察と強盗団の対決を描いているようでいて(いや実際描いているけど)、「どのように捜査して」「どのように相手の動きを突き止めて」などといった細かい描写は大胆に省かれており、まるでお互いが相手に執拗に絡む事が当然であるかのような、まるでそのことが運命として定められているかのような。物語には何組かの男女が登場し、それが決して対照的に提示されるのではなく、むしろ、対決する男たちの間に存在する共通項をあぶりだすために提示されているようでもあります。アル・パチーノとロバート・デ・ニーロとの関係、それはライバルというよりはもはや、共犯関係とも言うべきもの。アル・パチーノがギョロ目をむき、短足に鞭打ってオッサン走りを繰り広げる姿は、なかなかにカッコよかったりもします。
【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2015-05-26 22:37:19)
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