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《ネタバレ》 いやあ、面白かったですね。謎解き物と
してはよく考えられたお話で堪能することができました。 無暗に人が殺されないところも良かったです。 遺産相続のお話と思わせといて実はその裏にもっと深い 闇があったというプロットには恐れ入りました。 久能君が途中で本筋とは全く関係のない女性論について 話すところは彼らしいところではありますし、内容には 禿同でありました。 弁護士の孫の登場があまりにも唐突で不自然で、彼が何ら かの形で絡んでいるのだろうというのが容易に推測できた ので、もう少し考えてほしかったとは思いました。 最後の松嶋奈々子がそれぞれに形見を渡すシーンは確か に長くて、本筋の秀逸さに比べて月並みな感じは否めま せんでした。 物語の突っ込みどころは、狩集家は地域での大きな自作農 家であれば当然多くの小作人や役人などとも顔なじみで あり、鬼が突然成り代われば容易にバレてしまうであろう 点でしょうか。 ちなみに、久能君が若いにも関わらず各方面に超博識で あるという設定であれば、狩集幸長の遺言を皆の前で 弁護士先生が開示するところで、「公証人の検認なし に開封したら犯罪になりますよね」とか、「一人だけ に相続させるのは遺言であっても遺留分侵害で無理で すよね」とかの発言をしてもよさそうなものなのに、 彼はそうしなかった。(さらに言うなら、汐路のお母さん は遺産を全くもらえない、というのも、現在ならば、もし 生前に遺言者の世話を押し付けられていたのであれば、 夫が死亡していてもその寄与分に対する金銭請求が可能) これは設定が犬神家のように戦後の混乱期でもなく 純然たる現代ならばあり得ないことなので、当然彼は そのことに気づいていたのに全く口にしませんでした。 これは意図的なものだと思っていました。 つまり僕はその時点で、どうやら二人は怪しい、遺言 書も偽者ではないかと気づいていたんです、という 種明かしを最後にするのか思っていたのですが、完全 スルーでした。もしかしてその辺の法律事情を作者も 知らなかったのでしょうかね。 【キムリン】さん [地上波(邦画)] 7点(2025-01-06 19:42:07)
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