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どん底貧乏宿に集まったいろんな人たちの群像劇。もともと舞台劇なのでこれも長屋のセットで繰り広げられ、役者の芝居を楽しむという舞台を見るような映画。初見は退屈に見た気がするが再見したらそれぞれの人間が浮かび上がって生き様が見えてくるのが結構面白かった。強欲な大家夫婦と虐げられてる妹、陰気な鋳掛やと瀕死の女房、アル中の元役者、開き直ってるような遊び人、自称元旗本の殿様、ちょっといい男の泥棒、飴売りの女、売春婦、その他まだ何人もの中へお遍路装束の老人がやってくる。この左朴全が瀕死の女房にはあの世を説き、誰も取り合わないような売春婦の話を聞いてやり、アル中役者には治療するところがあると希望を与える。善人のようなこの老人とて正体は怪しげで、出てくる人物達皆が人間の持つ悪や弱さといった影の部分を投影している。雁治郎の変身振りに驚き、山田五十鈴の悪女が強烈で、左朴全のひょひょうとした様が味わい深いなど役者がいいが好みではないので65点といったところ。
【キリコ】さん 6点(2003-08-29 16:49:35)
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