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戦争をはさんでつかず離れずの微妙な男女関係の17年間が秋津温泉を舞台に描かれる。17歳の明るく健康的な新子(岡田)が17年後に疲れ果て絶望の末にたどるラストは痛ましい。はつらつとした女学生からしっとりとした女性まで美しく魅力的に
見せる岡田茉莉子が終始素晴らしい。これは成島東一郎の撮影も効果的だったかもしれない。斜め頭上から、あるいは下から、ロングショットでと変化のある構図が印象的で美しい。若いときの着物姿に真っ赤なマフラーとか赤の使い方も素敵。 ただこの相手の周作(長門)という男が無責任でいい加減なのに彼女はずっと執着し続けて身を滅ぼす、というのがなんだか腑に落ちない。 出合った頃心中を持ちかけるほど生きる気力のなかった男は新子の生気に助けられたのに、17年後に立場が逆転した時男は新子の気持ちに気づく風もなく適当な慰めを言う。そんな周作は腹立たしいが長門裕之のダメ男ぶりは悪くなかったと思う。 【キリコ】さん 7点(2004-11-27 19:49:02)(良:1票)
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