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主人公夫婦は聾唖者なのでセリフがなく手話で会話する。言葉は字幕で示されるが夫婦、特に高峰秀子は表情や仕草で字幕以上の豊かな感情を表現し伝えてくる。誰もが貧しく苦しかった時、障害者夫婦にはさらに厳しい時代だった。働く場も限られるし、聞こえないばかりに子供も死んでしまう。家族も問題を抱え、頼れるどころか母親の面倒まで見なくてはならない。そんな苦しい生活の中でも懸命に働き、子供を育て生きていく。まさに題名どおりの人生で、しかもやさしい秋子は報われないままだ。暗い話なのだが、けなげに一生懸命生きる夫婦の姿にいつ見ても感動して泣いてしまう。聾唖の会話シーンはサイレント状態に近いが全く不都合を感じず、全身で表現する姿はむしろ豊かな情感をイメージさせる。
この後、父と子の続編もできたが(高峰がいないせいか)精彩を欠き、本作にはまるで及ばなかった。 【キリコ】さん 9点(2004-01-29 23:15:56)(良:2票)
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