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《ネタバレ》 原作未読。全体的なテーマ・ストーリーは悪くない。
2組の夫婦の時間・生と死のクロスオーバーを手紙・メモ書きや写真といった道具を巧みに使い、夫婦(の時間)とは何か?を問うている。 が、脚本に無駄多くバランスがよくない。 まず、ビートたけしや草なぎは必要なのか?岡村・浅野も同様。大人の事情での出演なのだろうが、作品のテンポ・リズムを崩しており、登場人物として余計だ。道中での有名人の起用によるネタ仕込みより、前作のような素人の町人相手かマイナー俳優でよかったのではないか?また、ヘタなロードムービーにしたため、ワザワザ観光地を挿入しているが、高倉健主演でそんな観光地の風景に頼るような演出が必要なのか?これも余計だ。海や湖をバックとした高倉健の後姿のシーンが3~4回あるが、定番でカッコイイんだけれども、カッコ良すぎてちょっと浮いているし、果たしてこの作品に必要なシーンなのか?そして最後の冗長な説明臭いオチ解説の長台詞が最悪だ。このオチになることは観客の誰もがわかっていること。お互い黙って見つめあい、写真だけ渡して立ち去ればいいんじゃないのか?大俳優2人の折角の演技の見せ所なのに、ハトがどうだのクドイ説明させるなよ。これじゃラストが大無し。 逆に、夫婦2人の物語があまりにも淡白で時間軸も滅茶苦茶で説明不足であり、どのような夫婦関係であったのかがよくわからない。よって「大切な思い」というのが、非常にわかりにくくなっている。田中裕子はいいのだが、年齢的に釣り合わないのは気になる。 一方、平戸のシーンは風景・俳優4人の演技も素晴らしく、大変よいものに仕上がっている。特に写真館のシーンは説明できない感動がある。 高倉健は高倉健なので、まあいいんだけれども、この役が高倉健に相応しいか否かは疑問だ。もう80歳を超えており、真っ直ぐ普通に歩けない姿を見るのは少々辛かった。もう20年以上前に山田洋次が「高倉健には笠智衆のような俳優になって欲しい」と言っていたのを記憶している。2人とも演技力は低いが存在感や味があるという点では共通しているが、ある種の老いぼれ爺さん役を高倉健が演じる事への不安や悲しみがないわけじゃない。映画人は高倉健をどうしたいのか?映画界の至宝・高倉健で何を撮りたいのか?もう残された時間もない。真剣に考えて欲しい。 【東京50km圏道路地図】さん [映画館(邦画)] 6点(2012-09-02 06:51:35)(良:5票)
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