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映像表現に金をかけているので、一見すると重厚だが、原型になっている叙事詩から「神話性」を取り除いてしまったため、何とも中途半端な内容になっている。神話や叙事詩には興味があるものの、伝承を単に「実写化」するだけでは、こんなにつまらなくなってしまうものかと驚かされた。
戦闘シーンは「ロードオブザリング」同様、ただ単に集団でワーッとやりあっているだけで、戦略もクソもない集団戦の連続にウンザリ。人や船をコピペしまくっているような画面からは、もはや驚きよりも、表現における「下品さ」しか感じられない。 メインの「トロイの木馬」のシーンも、こういうリアルな映像で見せられると、その作戦の幼稚さが目立つ目立つ。いくら何でも敵さん由来のものなんだから、城内に入れるにしても、燃やすにしても、まず調べろよ(w。もう少し、独自の解釈による大胆な変更があっても良かったのでは。 ブラピも悪くはないものの、あの不死身のアキレスにしては、いまいち迫力不足。それは決闘シーンの演出の仕方にも問題があるからだろう。「強いんだな」って事は伝わるものの、それはあくまでも「人間レベル」のもので、あんな程度では「神の血を引く者」としての凄味は感じない。例えば、ヤリを投げるにしても、何人もの敵兵を鎧ごと貫いて串刺しにするくらいのパワーがあるとか、身体を切りつけられても、すぐに傷口がふさがるとか、デカい戦斧の一撃を素手で受け止めるとか、たった一人で何千人もの敵兵を屠っていくとか、まさに「一騎当千!」と言うべき「見せ方」ってものがあるはず。それは神話ベースだからこそ出来る、そして「やって欲しい」演出なのに、ハリウッド映画はそういうアクション面の演出が本当に下手くそ。 全体の展開も、重厚さや長大さを出したいのか、無駄に長くなっていて、ダラダラとしているのもマイナス。どうせやるなら、原作の解釈を変えて、もっと現代風にアレンジした、エンターテイメント性の高い叙事詩を見てみたかったなあ。 PS.ブラピの身体はなかなかスゴかったけど、まさかCGじゃないよね? 【FSS】さん 4点(2004-12-19 06:59:10)
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