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明らかな「モンスター映画」でありながら、その主眼はほとんどモンスター自体には当たらず、ひたすらな家族愛を中軸とするシニカルなヒューマンドラマに仕上がっている。
米国の“モンスターパニック映画”や日本の“巨大怪獣映画”を想定してこの「モンスター映画」を観ると、少なからず面食らってしまうことは間違いないだろう。 かといって、登場するモンスター自体にもしっかりとインパクトはある。 水質汚染の突然変異的に誕生した~というのはかなりありきたりではあるが、その登場や動きの“描き方”は、これまでのモンスター映画の“パターン”に反旗をひるがえす様な、常軌の逸しかたを見せる。 笑ってしまうほどに“ぶさいく”なビジュアルにも賞賛を送りたい。 展開されるストーリーには、“陽”と“陰”が入り混じり、ただ“エンターテイメント”とはくくり切れない「感情」がほとばしる。 もちろん、そこには好みや固定観念が立ちふさがるので、一概に「面白い」とは言えない部分もあるにはある。 だが、一言に「モンスター映画」と言っても、国とその国民性の相違によって、これほどまでに独特で新しい「モンスター映画」が生まれるものか、と思う。 そして、そういう部分にこそ、映画が様々な国で作られ、それが様々な国で観られることの、意味と価値があると思うのだ。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-09-23 15:00:17)(良:1票)
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