スパイダーマン3 の 鉄腕麗人 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ス行
 > スパイダーマン3
 > 鉄腕麗人さんのレビュー
スパイダーマン3 の 鉄腕麗人 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 スパイダーマン3
製作国
上映時間140分
劇場公開日 2007-05-01
ジャンルアクション,サスペンス,SF,アドベンチャー,シリーズもの,青春もの,漫画の映画化
レビュー情報
サム・ライミという映画監督が描き出したこのスパイダーマンシリーズは、「ヒーロー」が必ずしも“完全無欠”ではなく、主人公のピーター・パーカーをはじめ登場人物たちがそれぞれ“未完成”であるということが、何よりも映画としての価値を高め、量産されるアメコミヒーロー映画の中で頭一つ抜け出した存在位置を確保し得た要因だと思う。

「スパイダーマン」というどこからどう捉えてもヒーロー映画的なタイトルを掲げながら、実のところは、ピーター・パーカーを中心とした成長映画であり、青春映画だったのだ。
そして、サム・ライミのシリーズとしては「完結編」であろう今作は、そういったこれまでの要素にふさわしいキャラクターたちの“葛藤”をとくとくと描いた作品に結した。
“ヒーローであることに対する慢心”、“ヒーローが恋人であることによる嫉妬”、“ヒーローに傷つけられたことに対する憎悪”、それぞれの人物たちが未完成だからこそ起こり得る心の乱れと苦悩。それらはまさに「スパイダーマン」で監督が描きたかった本質だと思う。

とまあ、概ね満足感は高い映画だったが、完結編の性なのかどうにも“詰め込み過ぎ”な印象もあった。
“ハリーとの対決”、“サンドマンとの対決”、“ベノムとの対決”、“MJとの確執”、そして“自分自身との対決”と、何せ今作のスパイダーマンは忙しすぎた。そのせいか、前作までと比べると明らかにテンポの悪さを感じてしまったことは否めない。ピーターが壊れていく様など、もちろん必要な描写ではあるけれど、少々くどかったのではないかと思う。

が、しかし、ヒーロー映画に不可欠な“テンポの良さ”やそれに伴う単純な“爽快感”に負荷を与えてでも、キャラクターたちの描写に力を入れたことこそ、このシリーズがただのヒーロー映画に留まらなかったことの「証拠」であろう。
鉄腕麗人さん [映画館(字幕)] 7点(2007-05-13 13:43:27)(良:1票)
鉄腕麗人 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-11-16十一人の賊軍8レビュー6.80点
モアナと伝説の海6レビュー6.81点
ルックバック10レビュー8.00点
2024-11-09ARGYLLE/アーガイル6レビュー6.00点
2024-11-05猿の惑星/キングダム8レビュー7.00点
2024-11-05ザ・クリエイター/創造者7レビュー5.84点
2024-11-03ゴジラ×コング 新たなる帝国7レビュー5.57点
2024-10-27がんばっていきまっしょい(2024)6レビュー6.00点
2024-10-27インビジブル・ゲスト 悪魔の証明8レビュー6.33点
2024-10-27ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ9レビュー5.88点
スパイダーマン3のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS