プロミシング・ヤング・ウーマン の 鉄腕麗人 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > フ行
 > プロミシング・ヤング・ウーマン
 > 鉄腕麗人さんのレビュー
プロミシング・ヤング・ウーマン の 鉄腕麗人 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 プロミシング・ヤング・ウーマン
製作国,
上映時間113分
劇場公開日 2021-07-16
ジャンルドラマ,サスペンス,犯罪もの,ミステリー
レビュー情報
《ネタバレ》 キャリー・マリガンが好きだ。
類まれな愛らしさと、そこから滲み出るような薄幸と繊細な狂気。「ドライヴ」、「華麗なるギャツビー」、そして「SHAME -シェイム-」、どの作品においても、大スターの主演俳優を喰らう演技と存在感で魅了されてきた。
個人的には、随分と前から「最もアカデミー賞に近い女優」と確信してきたが、しばらく出演作の鑑賞機会がなかった。
久しぶりのキャリー・マリガン。少し年を重ねたその表情には一瞬見紛うたけれど、冒頭のシーン、泥酔(のフリ)からの狂気的覚醒に一気に釘付けになった。

女が、夜な夜な危険を犯してまで酔っ払った男たちへの復讐を無差別に繰り返す理由。それは、男、そして過去に対する終着なき怒りと復讐。
世の中のすべての男たちの過ぎ去った泥酔の夜に、恐怖と後悔と懺悔を。

一人の女の狂気的な怒りを描きぬいた振り切ったストーリーテリングが白眉で、その狂気そのものを体現するかのような主演女優が素晴らしい。
実際、話の筋は突拍子もなく強引だが、それをまかり通しているのも主人公の特異なキャラクター性とそれを演じきったキャリー・マリガンの表現力そのものだろう。

最終的な顛末は、決してハッピーエンドなどではなく、きっぱりと最悪な悲劇だ。(気恥ずかしいくらいの多幸感に溢れたドラッグストアでのデートシーンが「残酷」への前フリであることは明らか……)
にもかかわらず、心の中では一抹の爽快感みたいなものがジワジワと広がる。その感覚がとても奇妙でもあり、フレッシュでもあった。


正直なところ、自分自身、思い出すこともはばかられる泥酔の夜は記憶の片隅に存在する。
その薄ぼんやりとしていた後悔を、血みどろの輪郭で浮き上がらせるような、そんなキケンな映画だ。


P.S 主人公の優しい父親役のクランシー・ブラウン、絶対なにかの映画の「悪役」で見たことあるなあと思っていたら、「ショーシャンクの空に」の悪徳刑務官の俳優だった。
鉄腕麗人さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-01-29 23:46:23)
鉄腕麗人 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-11-16十一人の賊軍8レビュー6.80点
モアナと伝説の海6レビュー6.81点
ルックバック10レビュー8.00点
2024-11-09ARGYLLE/アーガイル6レビュー6.00点
2024-11-05猿の惑星/キングダム8レビュー7.00点
2024-11-05ザ・クリエイター/創造者7レビュー5.84点
2024-11-03ゴジラ×コング 新たなる帝国7レビュー5.57点
2024-10-27がんばっていきまっしょい(2024)6レビュー6.00点
2024-10-27インビジブル・ゲスト 悪魔の証明8レビュー6.33点
2024-10-27ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ9レビュー5.88点
プロミシング・ヤング・ウーマンのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS