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緑と赤をオーバーにしている画面がとても新鮮で、見ていて飽きなかった。現実にはありえないくらい素敵な部屋、凝りに凝った調度品、一つ一つの物が、出てくるハトまで素敵に見える。どのシーンも、乙女心をくすぐる、可愛さと皮肉に満ちていて、とても、良い。僕は男だけれど、それを超えていいなと思わせる大道具小道具さんの働きと、カメラワーク・演出がありました。アメリの行動は、その動機や、突発的な動きに予測がつかないことが多い。それを、「理解できない」と拒否してしまう人も多い。しかし、だいたいにおいて自分以外の人間をそう理解・予測できないことは実生活でも実証済みである。映画の中の人だけ自分にも理解できないといけないと考えるのは傲慢でもある。さらに、行動の動機がわかるようなことでは、アメリから発散されるこの最高の”エスプリ”(自分でも何だかわからずに使ってしまうが、)は到底得られないと思う。普通に考えても、日本からだいぶ離れたフランスの、文化も気候も食べ物も違う国で、しかも若い女で、さらにかなりエキセントリックに育った変人の考え方が理解できないのは当然だし、理解する必要もないと思われる。アメリの思考回路が理解できなくても、映画を観る洞察力不足だと非難されることはない。「こんな面白い考え方する人間がいる!」という気分で映画を観りゃいいのだ。それと、ドミニク・ピノン(気持悪いハンドテープのストーカーね。)に注目してください。もうこの存在感、最高です。なかなかいないとは思うけど、彼に着目した天邪鬼さんは是非、「溝の中の月」を観てもらいたい。(「ディーバ」にも出てるけどカッコよすぎ。)彼の怪優っぷりを堪能できます。話は変わるけど、この映画はサントラがとても素晴らしい。ヤン・ティエルセン。映画を気に入った人は、是非サントラも聴いて欲しいと思う。僕のチェンジャーには普通にヘビーローテとして入ってます。
【fero】さん 9点(2003-11-04 02:37:07)
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