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思うに、東宝はゴジラを強くしすぎたんだと思う。だから現存の実在兵器では対抗できなくなり、過去にはスーパーXやメーサー戦車、そして本作ではメカゴジラやGフォースといった架空の兵器・部隊を登場させてきた。しかし、この過程で「ゴジラが強い→ならばそれを超える兵器or対戦怪獣を→それに負けないゴジラを→…」という無限スパイラルに陥り、ゴジラ作品と現実の間には深い溝ができてしまった。自分のように、幼い頃、映画館を出た後で町並みを眺め、「この景色のあそこにゴジラが出てきたら…」などと考えて心躍らせた者にとっては、この現実との溝が残念で堪らない。我々がごく普通に体験している「日常」に現れてこそ、ゴジラは恐怖の対象になるのであって、近年のゴジラのように、現実もどきのパラレルワールドにゴジラが現れても感情移入できない。近年のゴジラは架空描写の見本市状態であり、「いま、この現実社会にゴジラが現れたら…」というリアル志向のゴジラを見たい人間にとっては、辛い時代になったと思う。ただ、これは何もゴジラ映画とそれを見る方達を批判しているわけではなく、私個人の求めるゴジラが現在東宝が作るゴジラとは離れているというだけのことだ。もう本当に怖いゴジラは見られないのだろうか。
【カシス】さん 1点(2004-05-04 15:07:14)(良:2票)
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