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テレビ局の横暴の暴露、ヤラセや差別の弾劾は、社会性のある問題提起ではある。でも。この映画にとって、それはバックボーンにしか過ぎないんじゃないか、とも思う。「社会性」という言葉は、「社会」が変われば包含する内容が変わる。あの当時のあの問題は、現代の我々――既にテレビ局のやらせ問題に飼い馴らされている――に対して、正直、あまりインパクトを与えないだろう。だから「新しさを感じない」という感想が漏れるのも、もっとも。でも、敢えてそんな古めの食材で料理したレッドフォードおじさんが問いたかったのは、そこで苦悶する「人間」の姿だったのではないか。堕ちて行くエリートの姿と、果ての無い苦悶やカタルシスを描く人間ドラマだけは、「社会性」の「社会」が意味を失っても、残っていくような気がする。「人間のドラマ」として見た。俳優が上手かった。それで、この点数。
【中山家】さん 8点(2004-02-19 06:16:13)
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