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《ネタバレ》 硫黄島の激戦はすさまじい描写なのだが、観終わった後の感想は「静かな映画」だなというものだった。戦争は、平和であればきっと幸せに送るはずだったであろう彼らの人生を、強制的に終わらせ、または全く違う運命の渦に放り投げてしまった。それを分けたのは、ちょっとした偶然や行き違いでしかない。そんな運命に翻弄された彼らは、英雄として称えられ祭り上げられ、やがて忘れられて、それぞれ静かに人生を終える。「戦争のヒサンサ」とか「ムナシサ」なんて手垢の付いた表現ではどうしても収まらない、もっと俯瞰しているようで、それでいて実は彼らの人生に寄り添って見つめるクリントの人間的な暖かさを感じる作品だった。ただ、この映画は「硫黄島からの手紙」とあわせて評価したい作品。かつて激しく憎しみあい、殺しあった敵をあえてその視点に立って映画化するという試み。クリントが日本人をどう描くのか期待している。
【ロイ・ニアリー】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-11-10 20:55:37)(良:1票)
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