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《ネタバレ》 綿密に取材をし、遺族の了解を取り、制作者の意志、演出を極力排した特異なつくり。これは映画と言うよりセミドキュメンタリーといった方がしっくりくるだろう。驚いたのは管制センター、軍司令センターの出演者の多くが、911当日に実際に現場に勤務していた当事者であり、俳優としては勿論素人であるということだ。1時間以上もカメラをを長回しして、事前に予告せずに911報告書に基づいた情報を彼らにぶつける方法で、事件当日を追体験させるという方法をとったという。これが見事に成功しており、監督のコメンタリーを聞くまで彼らが俳優でないとはまったくわからなかった。それはあまりに真に迫った「演技」であるため、まさか素人が、映画撮影という管理された状況下でこのような表情、動きが出来るとは思わなかったからだ。監督は「ボーン・スプレマシー」もそうだが彼独特のスタイルで、手持ちカメラを振り回すことで観客をスクリーンの向こう側に叩き込もうとする。これは賛否があるようで、映画館の大スクリーンで観ると、生理的に酔ってしまう観客もいるかもしれない。今回DVDで鑑賞したが、特典に93便の乗客役の俳優達が遺族の元を訪ねるというドキュメンタリーが収録されている。これはとてもシンプルな番組だが、ある意味本編よりも重みがあり、心に刻まれる内容だった。劇場で見た人もこのドキュメンタリーも是非観ることをお勧めする。
【ロイ・ニアリー】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-12-07 19:08:08)
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