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マヤ文明が舞台であること。これ以外の情報は全く知らないで観てきました。事前の予想では、マヤ、アステカ文明がスペインによって滅ぼされた時代の壮大な歴史絵巻を想像していたのですが、それは裏切られました。
歴史を俯瞰して描くと言うことよりも、もっとパーソナルな、ある男の勇気と生きる力が試される試練の物語でした。こういうテーマなら、何もこの地、この時代に舞台を持ってこなくてもいいのではないかと思いますが、メル・ギブソンには何か考えがあったのでしょう。しかし自分にはそれが何であるかはわかりませんでした。 主人公は卓越した度胸と体力、そして運を兼ね備えていますが、家族を持つ男性なら、彼に感情移入できるかも知れません。男として家族を守ること。試練に立ち向かうこと。どんな苦境でも諦めないこと。自分ならどうだろうかと。この物語ほど過酷ではない、平和な日本ではあるけれど、やはり自分に置き換えてみるのではないでしょうか。 ところでこの映画を観た後にマヤ文明について調べてみたのですが、公式サイトでははっきり「マヤ文明」と記述しているにもかかわらず、その中身はマヤ、アステカなど、メソアメリカ文明と呼ばれる中央アメリカの文明圏のディティールをごちゃまぜにしているようです。映画のような生け贄の儀式のやり方はマヤではなく、アステカ文明独特のものであり、言語もマヤ語ではありません。 「300」でもそうですが、米国の映画が他国の文化・歴史を題材にする時に、時に無神経ともいえる(製作側に悪意がなかったとしても)改ざん、脚色をして物議を醸します。本作も例外ではなく、この文明の末裔である主にメキシコの人々がどう反応するのか気になるところです。 本作は主にハイビジョンで撮られたと聞いていますが、やはり映画館の大きさではハイビジョンは解像度が足りません。最近観た映画で言うと、フィルムカメラで撮られた硫黄島二部作や「300」と比べると格段に解像度が低く、ディティールが甘いです。これはスター・ウォーズ最新3作でも、最近の邦画でも感じることです。 製作側にとってはコスト面やデジタル処理に都合が良いなど、メリットが多い規格かもしれませんが、劇場鑑賞にはやはり厳しいフォーマットであると感じました。 【ロイ・ニアリー】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-06-19 17:00:50)(良:1票)
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