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《ネタバレ》 ひと言で言って多くの映画賞を受賞したということに充分納得できるものでした。
「納棺師」という人々に馴染みのないテーマを、誠実に、地味に埋もれることなく、かつ観客に媚びることなく、エンタテイメントとしてのツボはしっかり押さえた脚本、抑制された演出が光ります。 キャスティングも本木雅弘、広末涼子は言わずと知れたスターですが、脇を固める山崎努、余貴美子など実力派が大変良い味を出しています。 特に銭湯のおかみ吉行和子、常連客の笹野高史が本当に素晴らしい。 本作は脇役の存在感が非常に活かされた作品だったと思います。 それから、音楽は宮崎駿作品でお馴染みの久石譲。僕は彼の音楽は宮崎作品以外ではあまりに叙情的というか大袈裟に感じて好きになれなかったのですが、本作ではチェロの旋律がピッタリとはまっています。 大部分の人は、普段死、自分の人生の終わりを意識してなど生活しないでしょう。 しかし生きとし生けるもの、必ず平等に訪れるのが死というもの。 人生の終わりは人それぞれ。多くの人に看取られる最期が有れば、腐乱するまで誰にも見つからない寂しい最期もある。 遠くない将来に訪れる両親との別れ、そしていつかくる自分のこの世との別れ。色々と考えさせられる作品でした。 【ロイ・ニアリー】さん [映画館(邦画)] 9点(2010-12-09 13:02:24)
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