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《ネタバレ》 11年前、ガメラが復活して本当に嬉しかった私ですが、回を重ねるごとに、ガメラである必要がないんじゃないの?ゴジラを作りたい人達が代わりにガメラを使ってるだけなんじゃないの?なんて意地悪な事を考えるほどに私の好きだったガメラからはかけ離れた存在になってゆきました。でも、大風呂敷を広げっぱなしで逃げちゃった前作から一転、今度は私の大好きだったガメラに限りなく近い存在となって帰ってきました。ガメラはなぜ存在するのか?なぜ現代社会に現れるのか?なんて一切関係なしです。大前提が子供の味方の空飛ぶ亀の怪獣、ガメラってそういうものでしょ?と、まるで平成ガメラに対してダメ出しするような映画。シネスコの大きなスクリーンに展開するのは、だけど、プログラムピクチャーみたいな小さな世界(『学校の怪談』や『ズッコケ三人組』に近い感じです)。視点は子供の元にあって、大状況に呑み込まれる事なく最後まで子供に寄り添ったまま。ガメラに協力するのは自衛隊でも国家でもなくて子供です。ガメラは人類の味方でも地球の味方でもなくて、子供の味方。そういう子供っぽさがダメ、って人は昔からいましたし、だから平成ガメラが好きな人にとっては悪夢のような映画かもしれませんが、私は『そうそう、この感覚こそがガメラ映画!』って感激。ストーリーラインがまるっきり「E.T.」とか、大映ブルー分が全然足らない!とか、ジーダスが大映よりも東宝怪獣っぽい(ゴジラ~ジラースのデザイン&名前をパロってるクサい気もします)とか残虐すぎとか、回転ジェットはもっともっと青く、できれば操演で!とか、そこまでやるんなら子供を背中に乗せて!とか、ラストはやっぱりガメラマーチを流して下さい~、とかいうマニアくさい不満点はありましたが、あくまで昭和ガメラファンのためじゃなくて、子供のための映画ですからね。それでも、映画を見ている間、子供の頃に映画館の暗がりの中で見たガメラが思い出されて懐かしさに胸を締めつけられ続けていました。ガメラに育てられた私は、主役の少年とそのお父さん、両方の視点でガメラを見つめていました。スクリーンに映るガメラを見ていられる映画生活がどれだけ幸せなのかを、40年近い時の重さと共に感じていたのでした。
【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 9点(2006-05-17 21:09:32)(良:2票)
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