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《ネタバレ》 空の青。森の緑。野いちごの赤。いろんな花のいろんな色。この映画に必要な色がキチンと余す事なく撮られていて、そしてそれは今の日本映画にあってはとても贅沢で見事。更にいちばん褒めたいのは衣装担当の人。ここまで映画の色をきちんと把握して、それに合った色をハメ込んでるって、なかなかないです。ゴージャスな衣装ならともかく、日常の生活の中にある服に、こんなにも注目できる映画は大変珍しく。あえて緑と土の色を着せて背景に溶け込ませ、上着のオレンジだけが鮮烈な彩りを放つとか、魔女をブルーや淡いパープルで彩るとか。さて、映画は予想されるままの映画で、そこから針がプラスにもマイナスにも振れないままに最初から最後まで流れてゆくので、そういう意味では少々物足りない感じもするのですが、リアリティぎりぎりなこの世界で語られるメッセージは、嫌味なく素直に受け止められるものでした。ベタベタと甘いだけで語るテもあったのでしょうけれど、あえて苦さを残した物語にした事で、主人公が踏み出した人生を真面目に見つめる映画になっているのでした。
【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-07-13 22:05:30)(良:2票)
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