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《ネタバレ》 人と繋がっていないと生きられないのに、人によって傷付けられ壊されてゆく心。その繊細な役どころを岡田将生が好演しています。物語は『おくりびと』『サンシャイン・クリーニング』とネタカブリしておりますが、現実に押し潰されそうになりながら人の死に触れる事で生への再生をさせてゆく姿がじんわりと染みてきます。ところが中盤以降、段々と雰囲気が怪しくなってしまい。母に捨てられた娘に母の手紙を無理矢理届けるエピソードの甘さ(あそこで手紙を受け取らせてしまう、更に手紙を読ませてしまう)に嫌な予感。続く柄本明の通俗的エピソードに更なる嫌な予感。そしてシリアスな役を演じるとどうも冴えない榮倉奈々を襲うあまりに陳腐な展開(世の創作物の中でこれまでに一体何百回何千回繰り返されてきたんでしょう?)に、感動させよう泣かせようと押し付けてくる意図とは逆にささーっと冷めまくり。いくらなんでも今時あれはないわ。岡田将生(と原田泰造)のせっかくの好演が、やたら陳腐な展開によって妙に安っぽいものとして閉じてしまったような感じがしました。立脚点はいいのに物語としては陳腐という致命的な欠点は原作時点で存在していたのかもしれませんが、もう少し他のテというのがあったように思えてなりません。ちょっと残念な作品でした。
【あにやん🌈】さん [試写会(邦画)] 6点(2011-11-13 21:13:06)(良:1票)
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