| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 もうホント「話のつまらなさ」だけがこの映画の欠点で、だけどそれが自分としては酷い減点対象で。カメラとか照明とか色彩設計とか、とってもいいんですよね。ビルや街灯や車内の照明が作り出す夜の街の空気感。光と影、暖色と寒色のコントラストを作って、徹底的に光側と影側、暖色側と寒色側に被写体を分けるこだわり。寡黙な、静かな時が流れてゆく中で、じわりと染み出してくる生と死の匂い。主人公が返り血に染まったサソリのジャケットをもう脱ごうともしない時点で、主人公の意志がどこに向っているのかが判る、そこに漂う切なさ。そういう上手さを評価する事はいくらでもできる、よく撮れてる映画なんですけどもさー、話がありきたりなヤクザ映画。いや、ヤクザ絡み映画っていうか。『さらば映画の友よ インディアンサマー』とか『3-4X10月』とかみたいな。血みどろバイオレンスシーンは、そういう映画なんだからそうなんでしょうよ、って状態ですけれど、せっかくのテクニックが、その程度のハナシでいいのかねぇ?って感じがしてしまって仕方ないワケですよ。今時「せな(背中)で泣いてる唐獅子牡丹」やっちゃってるよ~、ってのが正直な感想。どうせそこまでカッコ付けるなら、もっともっと削ぎ落としたシャープな映画でも良かったんじゃないかなぁ。
【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 5点(2012-04-01 14:56:23)
あにやん🌈 さんの 最近のクチコミ・感想
|