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《ネタバレ》 「科学を悪用し神を騙った人間が、その手で甦らせた恐竜によって罰を与えられる」っていう、マイケル・クライトンの原作から続く『ジュラシック・パーク』のテーマが、ここまできたって考えると、映画としての成長を感じられたりするのね。だって、今回は映画の心が恐竜側に移ってるから。
恐竜達が火山の噴火によって安住の地を追われる事から始まる受難の物語は啓示的。 抑圧、隷属、そして売買と人間の歴史の中で繰り返されてきた愚行を経て、最後は解放へと至るのだけれども、それを手助けしてゆく善の側のように見えた人間達が、でも最終的には彼らとの共存を望まないワケ。自分達とは別モノとして彼らの絶滅もやむなしと判断しちゃう。 そして、その意志に背いて最終的に彼らを解放する女神は恐竜達と同様に驕った人間の手によって生まれた存在。 これまで従順な存在として人を護ってきた闘士のブルーちゃんは、最終的に支配からの解放を選択する。前作のラストシーンを繰り返すようでいて、でも、全く逆の意味を持ってるの。支配する側の許しを得て去ってゆく前作と、支配する側の意志に背いて去ってゆく今作と。 ブルーちゃんに感情移入して見てきた人間からすれば、このラストはハンパでも、投げっぱなしでも、もにょるものでもない、最高のラストシーン、ラストカットなワケね。 前作は進化した映像以外に見るところはあまりなかった感じがしたけど、でも、今作に繋がる芽を仕込んであったのだとしたら(ラプトル四姉妹の存在ね)、少し見直したかな。 あと、絵的なセンスがだらーっとしていた前作に比べて格段に良かったのね。後半の恐竜館のホラーっぷりなんかはおんなじような絵が多かったシリーズの中では特異な面白さで。 ラプトル界のアイドル、ブルーちゃんと、貫録のレクシー姐さん、悠々自適のモササウルスさんの魅力はもちろん、頭突き恐竜スティギモロクちゃんのいいキャラっぷりや、埠頭のブラキオサウルスの悲しさ、人工的な能力が表出しまくり化け物状態インドラプトルの悲哀等々、モブまで含めて恐竜の個性を強調しまくった今作、アタシにとってコレは今までとは別物(ついでにこれまでビスタサイズを通してきたのに今回シネスコサイズになったのもね)。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 8点(2018-07-15 09:25:41)(良:2票)
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