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《ネタバレ》 雷蔵の代名詞的シリーズである「眠狂四郎」シリーズ第一作。シリーズものは一作目が最高傑作と言われることも多いのだが、本作はそれほどでもなく、このシリーズはそれほど見ていないのだが、本作の狂四郎はニヒルさやクールさが足らず饒舌でソフトなキャラに描かれている気がする。これはこれで悪くはないのだが、やはり狂四郎がキャラとして弱く感じてしまう。敵役となる若山富三郎演じる陳孫のキャラクターも中途半端な印象しかなく、クライマックスの円月殺法対少林寺拳法という対決もイマイチ盛り上がりに欠ける。(とはいえ一作目の今回早くも円月殺法が陳孫に真剣白刃取りされるのが印象的。一作目のクライマックスなのに。)そんな中でヒロイン役の中村玉緒は好演しており、悪女を演じた後年の「炎情剣」ほどではなかったが、それでも印象に残る演技を見せている。全体的に見てまだ試行錯誤という感じの一作目だったが、シリーズとして本格的な路線が出来上がるのは二作目である「勝負」以降なのだなと感じたし、もしかしたらシリーズ化されずにこれ一本で終わった可能性もあったかもしれないだろうから、そうならなくて本当によかったと思えた。
【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-04-10 00:08:17)
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