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《ネタバレ》 素直な作品だった。そして、その素直さがよかった。これと比べてみると、最近の宮崎映画は要素が多すぎて、かえって印象が散漫になっていると感じる。本作では、たとえば、キキが飛ぶところなども、「ヒュー」とかいった擬音はいっさい用いられておらず、無音。ただ、すぅーと空に浮かび上がり、飛ぶだけ。それに象徴される全編を通じての飾り気のなさが好感を呼ぶ。 物語面でも、一度張った伏線は、あとあとちゃんと受けられ、しっかりとつくられていた(それに対して、「千と千尋」なんかでは、カオナシの思わせぶりな登場で伏線張られまくった挙句、結局、あのような描かれ方とはのけぞった)。「成長」というテーマに沿って、ケレンミなく、適度な起伏を持ちながらストーリーが展開する。そして、ひとしきりの山場を超えてラスト。無駄な、あるいは無意味なキャラクターもなかったところもよかった(やはり、「千と千尋」では無意味なキャラがいっぱいいたと思う)。 宮崎映画の“古きよき時代”の一作として評価したい。とともに、本作以降、凋落していったのが残念である。
【delft-Q】さん 8点(2004-07-07 22:15:21)
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