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《ネタバレ》 007というスパイアクションもので、アクションやスタントシーンも満載だけれど、私には、それよりも何よりもロマンティックで幻想的な印象が強く残る作品。シーナ・イーストンの透明感あふれる「ユア・アイズ・オンリー」の歌声に、ギリシア神話のアフロディーテの如きキャロル・ブーケがギリシアを舞台に活躍、そして月夜に静かに青く染まる海中を二人で泳ぐラストシーンは、さわやかな大人のロマンスを感じさせ、血生臭い殺しの映画とは思われないファンタジーがある。シリーズでも異色のテイストである。
私が、そうした印象を強くするのは、個人的な思い出ともつながっているからのように思う。シーナ・イーストンは、もう何十年前になるだろうか、大阪のフェスティバルホールで開かれたコンサートへ行ったことのある歌手で、それが初めて女の子と出かけるコンサートという、私にとっての勝負イベントだった。なのに、3F席の端っこのほうしか座席が取れず、相手の子は「満足してくれているかなぁ」とずいぶんと気になった。けれども、レコードと変わらない素晴らしい彼女の歌声に二人とも大満足、座席の心配など吹き飛んだのだった! そんな、わが青春時代の記憶と重なっているせいで、余計、ロマンティックな映画に感じてしまうのだろう。 もっとも、そのときの女の子が、いまやイビキをかき、歯ぎしりまでする熟女と化した妻になろうとは、当時は想像もしていなかったが(笑)。思い出と美しきシーナ・イーストンの歌声にちょっとサービスして7点かな? 【delft-Q】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-06-07 23:40:11)
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