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《ネタバレ》 超有名な作品であり、『ゴッドファーザー』の監督ということで期待値が高かったが、世評にいうほどの映画なのか、という疑問が残った。
作品全体を貫くメインテーマが、まず見えてこない。「人間の狂気」や「表面の美談と裏側の真実」、あるいはもちろん「反戦」などの主張を映画のそこここに見出すことはできるが、それらはしょせんサブテーマ。メインテーマとなるべきものは、やはり主人公が川をさかのぼった果てにたどりついたカーツ大佐と彼の王国に込められていなければならないはずだが、肝心のその部分の性格や意味がよくわからない。 カーツ大佐は、マーチン・シーンが一種の憧憬を抱きながら探した人物であるはずなのに、まったく魅力が感じられない。これは致命的。彼の王国も、死体がぶらさがっていたりするばかりで、そこまでに暗喩されていたカーツ大佐の理想・思想とは隔たりが感じられた。 で、終局の描かれ方も、脚本家自体がラストをもてあまして、ごまかした印象さえ私にはあった。あえてメインテーマらしきものを考えると、「神の真実」とでもいうことになるのだろうかと思ったが、つくり手の消化不良で着地失敗した一作という感想が残った。ナパーム弾のシーンは迫力があった。 【delft-Q】さん 5点(2003-12-02 00:04:46)(良:1票)
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