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《ネタバレ》 なんという贅沢な映画なのだろう。全編200分のうち195分は、最後の5分のために費やされた。そして、そのラストシーンによって本作は、一気に名作の仲間入りをすることができた(もし、あのラストでなかったら、私の評価はもっと低いものになっていただろう)。 数ある映画のなかでも、あのマイケルの、自分だけは満たされないものに気づいている表情で終わるシーンは、特筆されるべき素晴らしいものだと思う。いったい、どこでボタンの掛け違えが生じたのか。マフィアとはいえ、パパの時代はファミリーのあいだに温かいものが流れていたではないか。いったい、どうして自分を取り巻く空気は、こうも冷え冷えとしたものになってしまったのだろう……。 若き日のヴィトーも人を殺してはきた。しかしそれは、友のためであったり、家族のためであった。それに対して、マイケルは友を殺し、ついには肉親をも殺してしまう。ファミリーのためにと思ってのことではあったが、そのファミリーを構成する誰からも慕われることはなくなっていた。マイケルは、ゴッドファーザーとしての地位を確乎たるものとしたが、孤独である。 195分間、途中「ちょっと間延びしてるな~」とか思いながら見ていたが、最後の最後で見事にうっちゃられた。そして前作にない普遍的なテーマを含んでいた点を高く評価したい。私はⅠより上回っていると思う。ということで、9点也です。それにしても、ロバート・デ・ニーロを回想で使うとはもったいない!
【delft-Q】さん 9点(2004-12-11 20:33:05)(良:1票)
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