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《ネタバレ》 これだけのオールスター・キャストで気合が入っているにもかかわらず、残念な映画。実際の東電原発事故をモデルに、名前もほぼ実名という設定にもかかわらず、首相や東電本店を一方的に悪者扱いしているところからしてひどい。これじゃ観た人が官邸や本店クソだと思っても致し方ないよ。
NHKで放送されていた「88時間の危機」のほうがよっぽどリアルティがあるし、何よりYouTubeでも東電テレビ会議の実際の公開映像と音声があるのだから、まずはそちらを見るべき。この映画でも出てくる、吉田所長の英断とされた1号機への海水注入「中断のふり」も、実際はパイプからの水漏れで効果がほとんどなかったことが指摘されている。現実を知れば見方もまた変わってくるということだ。 それと印象的なのは、日本の組織の欠点でもある場当たり的な対応を再認識させられたこと。新型コロナ禍によってもあぶり出されたものだが、危機に弱い。最悪の事態を想定せず、臭いものには蓋しとけ的な対応の積み重ねが人災となる。自然の猛威には人知はとうてい及ばない。あの事故が、東日本壊滅という悪夢の一歩手前までいっていたのだということを広く世に知らしめたという点では評価したい。 【mhiro】さん [地上波(邦画)] 5点(2021-03-13 18:04:43)(良:1票)
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