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いま観てきました。
アンチ怪獣、アンチ大作な心意気が映画のフォルムを壊しまくっている。素晴らしい。 モンスターデザインにはタトプロスではなく、成田了の遺伝子を感じますな。一見ありえなさそうなシュールなボディラインが素晴らしい。 そしてストーリー! まるっきりロジャー・コーマン製作の『吸血怪獣ヒルゴンの猛襲』のパクリじゃないですか! 真似るにことかいてコーマン御大の怪獣映画かよ! むっちゃくちゃ素晴らしい! 音楽が見事なくらい「わかってなかった」のがつくづく残念。満点には至りませんでしたが、とってもとっても素晴らしい映画だと思います。 人気の悪さ、宣伝の拙さに振り回されて、食わず嫌いしてた自分が本当に悲しくなりました。「蓋を開けてみると小粒な動員だったけれど…」と評しながらも、あえて再上映してくれた蠍座のオーナーさん、感謝です! ●追記:一日じっくり考えてみた。これほど明確に具象化された「北朝鮮」を今まで見た事がないのに気づいた。生い立ちも、自然界に存在を許されない奇怪な形態も、拉致って生殺しにする食餌行動も、水路から迫る襲撃経路も、そのステルス性と俊敏さを兼ね備えた攻撃能力も、そして大多数の市民にとって真の脅威ではない点もビシッと符合する。その上で、マスコミに流布するウィルスの噂や、論点がずれて行く(というかずらして行く)政府や米軍の行動や、火炎ビンで戦う事の意味や、墓穴を掘りまくる主人公たちの思慮のなさに、いろいろな意味付けが出来はじめた。そして、実際に怪獣なるモノが現れた時には、案外行政府ってこんな風に行動するんじゃないか…とも。 ここまでの政治性の強さは、日本怪獣映画(テレビは除く)ではやれなかったものだと思う。「んにゃ、グエムルの母はヘドラだ」と言う向きはあるかもしれないけどね、日本ではヘドラは根付けなかったのをお忘れでないよ(廃棄物13号は…オイラ的には発展性の少ないオマージュだったと思うがね…マンガしか見てないけど)。 この怪獣はきっと、日本より漢江の水が合ってたんじゃないかな。観客の危機意識ベクトルの問題かもしれんがね。 【エスねこ】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-12-10 20:28:44)(良:2票)
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