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井筒に、監督として誉められるべき部分をまったく見出せないでいるオイラでも、この映画にだけは10点をつける。これこそ映画として作るべき映画。庶民の娯楽であり芸術でもあり、大人数で感動を共有できる「映画」というメディアでこそ、最もポテンシャルを引き出せる素材だろう。これは「のど自慢」という素材の妙であり、企画の妙なんだと思う。この素材からどんな味が引き出せるかは監督次第で全然違うだろうし、実際オイラも映画館に足を運ぶ前はあーでもねえこーでもねえと勝手にストーリーや演出を考え続けていた…オイラが想像したのはもっとコテコテな歌謡ショー/ミュージカル風だったんだけど、井筒監督のこういう処理法でもかなり泣けたし、120%満足できた(竹中直人はいらんかったと思うんだけど…)。普通の暮らしをしている普通の人々が、歌によって一瞬の幸福を得られる魔法のステージ「のど自慢」。この素材に着目したプロデューサーは偉い。素直にシャッポを脱いで、ヒネクレずに10点献上。
【エスねこ】さん [映画館(邦画)] 10点(2006-02-27 19:43:55)(良:2票)
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