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太平洋戦争での敗北⇒既成の価値観の崩壊⇒社会の混乱、という時代背景における血みどろの人間関係。「仁義なき」ということを裏返せば、旧来の価値基準に代わって、カネや暴力といった即物的なものが新たな尺度になったということ。また、明治期の自由民権運動が博徒と無縁ではなかったのと同様、形式的な国家権力を補完する形でヤクザ組織をはじめとするインプリシットな権力が存在するということも、社会史の常識。本シリーズでも、警察と持ちつ持たれつのヤクザ組織が、時代の変化の中で、社会との共存=経済ヤクザ化を図ったり、あるいは逆に一段と凶暴化・地下化する様子が描かれます。必ずしもリアルだとは思いませんが、生の過剰さがぎゅっと凝縮されて、ある種の爽快感すら感じます(笑)。菅原文太の存在感は、この1作目が一番ではないでしょうか。
【アイアン・バタフライ】さん 9点(2004-03-28 13:32:13)
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