ミリオンダラー・ベイビー の no one さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ミ行
 > ミリオンダラー・ベイビー
 > no oneさんのレビュー
ミリオンダラー・ベイビー の no one さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ミリオンダラー・ベイビー
製作国
上映時間133分
劇場公開日 2005-05-28
ジャンルドラマ,スポーツもの,スポコンもの
レビュー情報
《ネタバレ》 最期の選択について。同じ障害を抱えていても強く生きている人はいるんだから、彼女も死ぬべきではない――そう思う人もいるだろう。でもボクシングというスポーツにすべてを賭けていた彼女が全身不随になってしまうことの苦しみ、しかも支えてくれる家族もいないという孤独を思えば、彼女の決断を責めるのはおかしいと思う。そもそも人の心の苦しみはあくまで主観的なもので、他のケースと比較して重い軽いとたやすく言えるものではない。身体障害のない人がどうこう言うべきではないし、たとえ障害があったとしても、苦痛の感じ方は個々人によって異なるのだ。  同じように、この結末に希望を見出せるか否かもまた人によって違う。少なくとも私は、救いのない絶望的な結末だとは思わない。むしろ不幸と断ずることは失礼じゃないかとすら思う。短い間とはいえ栄光を手につかみ、心から信頼できる人物と出会うことのできた人生。生きるために生きるのではなく、ボクサーとしての誇りのために、ほんとうの意味で「生きる」ために死んだ(*)。最後の瞬間、ベッドの上の彼女の笑顔にはまぎれもない幸福があった。重い物語ではあるけれど、一口に不幸とも幸福ともいいきれない、歓びと哀しみの入り混じった物語だ。少なくとも彼女の人生にはかけがえのない生の実感があったではないか。何の価値もない絶望的な人生だったなんて、誰が言えるだろう? 幸福のあり方は人によって違うのだから。この映画には確かに、生きることの美しさがある。イーストウッドの映画は暗い。しかしただただ陰惨なのではなく、光を探すために暗闇を見つめる、そんな映画なのだと思う。 (*念のためにいっておくと、全身不随の生活が「ほんとうの意味で生きていない」と言っているわけではありません。あくまでも「彼女にとって」の話です。文脈からわかると思いますが念のため)
no oneさん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-06 12:06:48)(良:1票)
no one さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2009-12-25セブン7レビュー7.62点
2009-09-29サンセット大通り7レビュー7.63点
2009-09-08ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!7レビュー7.23点
2009-09-06恋人までの距離(ディスタンス)8レビュー7.50点
2009-09-05ダーティハリー6レビュー7.53点
2009-09-01カリートの道7レビュー7.78点
2009-08-27M:i:III6レビュー6.60点
2009-08-27その土曜日、7時58分8レビュー6.75点
2009-08-27スペースバンパイア7レビュー5.55点
2009-08-17ジャージの二人8レビュー6.19点
ミリオンダラー・ベイビーのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS