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《ネタバレ》 悪党であるはずの人間がほんの一瞬だけ垣間見せる人間らしさ、あるいは善良であるはずの人間が魔が差したばかりに犯す取り返しのつかない罪。善と悪、どちらに転んでもおかしくない人間の性が上手に描き出されている。とくに死の間際のハウの表情には心を動かされずに入られなかった。心から信頼していた弟の裏切りに気づいた瞬間、彼の胸にはどんな思いが去来したのだろう? ただし、サムについては役者の選出に失敗しているように思える。深刻なシーンでも、いまいち役者がブサイクすぎるというか、犯罪組織の頭が持ってしかるべき迫力というものがなく、入り込めない。 ハウが四人を組織に引き込むシーンや、四人を粛清するシーンには迫力があった。後者はあきらかに『ゴッドファーザー』に似ているが、それでもなお魅せる。映像のセンスが現代的で洗練されている。 しかし疑問が一つ。サムによって兄を追い詰められたヤンが、どうしてサムの仲間になれて、しかも後々絶大な信頼を得るようになったんだろうか。ハウの遺骸に泣いてすがっていた男を、ハウの一族を皆殺しにしたサムが信じるか? 復讐されてもおかしくないんだから殺しておくのが当然では?
【no one】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-10-26 00:06:24)
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