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デ・パルマ監督の作品を映画館で観るのは久しぶりです。独特のカメラ回しやカットで、サスペンスの鮮度を、そしてスリラーの感度を上げた職人気質の監督というイメージで本作を観たのですが、最高!とはいかないまでもなかなか面白かったです。2人の男の関わりを最初に見せ、そこに女を絡ませ、やや説明的な描写が長く続き、ブラックダリア事件になかなか突入しません。「なんじゃ。どこから本編がはじまるのかな?」とじらしてじらして。やがて、カメラワークを駆使したある場面から(カメラが低上空から景色をとらえ、狭い路地を車が走ってくる、道端を男と女が歩いてくるのをワンカットで魅せる)作品はダークな色合いがより濃くなってきます。色調自体も、かなり抑えられ鮮やかな場面はほとんどなく、舞台となる年代の空気をうまく出しています。事件の本質そのものの追求というよりは、その事件をきっかけに何か狂いだした人間の性を見せる内容でした。純粋にサスペンスや謎ときを楽しむ(視覚的なトリックはありますが)ものではないのが、観る人を選ぶと想います。ただ、映画館の暗闇の中の方が、この作品にはあっているような、そんな気がします。
【映画小僧】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-10-16 10:29:14)
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