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《ネタバレ》 前作が好きだったから決して大きな期待感は持っていませんでした。後日談みたいなまとめなのかな、と思う程度で、情報量も極力シャットアウトして、映画館へ。そしたら、見事にやられました。原色とは程遠い色調の、あの優しい、暖かい空気に触れただけで涙腺がゆるむゆるむ。舞台は確かに東京だろうけど、夕日町は実際にはありません。こうあればいい、こんな雰囲気の町があればいいという監督や製作者、そして観ている自分達の願いの町、それがこの作品の町だと思います。だから東京以外の人が観ても、自分のあの時代をオーバーラップさせることができるのでしょう。想像の産物だから出来た映画ならではの舞台なのですね。今回もお話は鈴木オートと茶川さんの家族を中心に描かれます。視覚的にも、高速道路のない日本橋、完成した東京タワー、こだまや飛行機など、大きな画面にぶわーっと出て来ます。美智子様御成婚の文字や、手づくりのワンピース、観た人達が裕次郎もどきになる映画のシーンなど、こと観賞後のお話に困る事のない情報量がいっぱい散りばめられています。それだけでも楽しい。ラスト、前作の鈴木家へのアンサーになるのか、茶川家三人の夕日を眺める後ろ姿で終ります。家族でいること、家族で体験すること、とてつもなく当たり前の事にこそ、幸せはあるんだなあ。観ているこちらの目に夕日が沁みました。
【映画小僧】さん [映画館(邦画)] 9点(2007-11-07 18:24:01)(良:2票)
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