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《ネタバレ》 オープニング、バーナードハーマンの曲に乗って、マンホールの蒸気の中からタクシーがぬうっと現われる。この場面だけで、ビビビッと来ました。ベトナム帰りの主人公の狂気ぶりを物凄く冷たく描いています。夜のニューヨークの危険な中にこそ、生きがいを見い出す男。戦争の後遺症と呼ぶにはあまりにも悲しい人生を送る男をデ・ニーロが好演しています。太陽の輝く下では、自分のやりたいことを見つけられない、また見つけたくもないのでしょう。銃を手にし、ポン引き屋を殺す彼には都会も戦場と同じ舞台でしかないのです。そして、それを英雄視するマスコミ。狂気の中の行動を賞賛するマスコミも、また都会の中では異常なのでは。DVDで再見すると、デ・ニーロの目がとても印象的で、目力とでもいうのでしょうか、狂った男そのものの説得力に圧倒されます。名優といわれる所以がよく分りました。
【映画小僧】さん 9点(2004-03-10 09:57:11)
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