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《ネタバレ》 少年の冒険活劇を想像したのですが、少し違ってました。で、面白くなかったかというとそうでもなくて、ちゃんと大友ワールドなるものが堪能できて良かったです。科学に執り憑かれた人間の悲喜こもごもを緻密な「絵」によって表現されている点ではポイント高いです。ただ、惜しむらくは壮大なる親子喧嘩に終わってしまい、その代償がロンドンの街の崩壊という結果になっていること。勧善懲悪といった図式ならば、街の惨劇も「悪」を懲らしめる場合、涙を飲むのでしょうが、いかんせん科学者の自己満足、そして親子の葛藤だけで、街が潰されるのはどうにも後味が悪いです。それだけ、科学そのものより、科学を扱う人間性の愚かさを象徴しているのでしょうけど。でも、ものすごく印象に残ったシーンがあって、それは主人公のレイがスチームボールを使って空を飛ぶ所で、壊れた街の家の窓から幼い少年の瞳に、空飛ぶレイの姿が映る所。白い軌跡を残しながらまっすぐに飛ぶ、その様を少年は羨望に似た眼差しで見つめる。「科学」への正しい憧れ。科学への純粋な驚きみたいな感じがして、少しグッときました。ひょっとすると最も言いたかったことは、このことではないのかな。そのために、レイを飛ばしたのではないかな。そんなことを思いました。
【映画小僧】さん 7点(2004-07-27 12:01:33)
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