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《ネタバレ》 いやぁ、テンポは良いし、よくできた映画でした。それに、中谷美紀は頑張りましたねぇ。・・・・・・だけど、毒だらけの映画というか、アンチ三丁目の映画というか、positiveなところは何もない映画というか、根底に怒りと諦めを抱えた映画というか、、、、、、、。「何を与えられるかでなく、何を与えるかが大事」という、ケネディの有名な演説のパロディが出てきたあたりで、この映画の私なりの解釈というか、見方が定まりました。・・・・要するに、最初から最後まで、この松子ってやつは馬鹿なやつだ、ゲハハハハハ、全く主体性もなく、いつも受け身で、それでいていつも正直で、真面目で、要するに、死ななきゃ治らんぜ、どはははは、という感じで、見なきゃいけないわけです。感動したり、同感できるシーンは皆無です。・・・・馬鹿だね、酷いね、と見なきゃいけないわけです。・・・・・・・何か具体的に、ポジティブにいいたいことがあるわけでなく、「人生なんかに意味はないのさ」と、徹底して相対化したとき、見る人、それぞれに何か、思うところが残ればいいじゃないか、というのが監督の立場ではないかと思いました。・・・・・・・そうやってみるとき、例えば、片平なぎさを笑いながら、彼女がアイドルだった頃を思い出し、人間綺麗には生きられないさ、ということに気付きつつ、それでもしっかりと彼女のように生きていくことに、何ともいえないポジティブなものを感じるようになるのです。・・・・テンポよく楽しく見ることができますが、難しい映画でした。・・・・こういうのは0点か10点かどちらしかない、とも思いましたが、片平なぎさのように大人になって、9点。
【王の七つの森】さん [DVD(邦画)] 9点(2007-01-15 14:09:36)
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