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《ネタバレ》 亡くなった武満徹が、黒澤作品の中で何が一番好きかと尋ねられ、この「白痴」だと答えたといいます。・・・・・・どうしてそうなのか、ずっと考えて見ていましたが、最後までよくわかりませんでした。・・・・・作品に一貫していると感じられたのは、絶対への渇望です。よこしまな心を一切持ってはならない、完全に純粋な生き方がある、というような、、、、、。完全に純粋な亀田を鏡として自分を見てみると、みんな汚れて不純になってしまうわけです。・・・・・武満徹はそうしたタイプの絶対性を、自分の音楽の中にも追求しようとしていた、ということなのだろうか???・・・・・・そして黒澤という人も絶対をいつも追求しようとしていたのかもしれない。・・・・・だけど、僕は、そういう絶対というのを追求する態度は嫌いだ。・・・・汚れていてけっこう、不純でけっこう、打算尽くでけっこう、人間は、みんなそんなものではないか。そんな条件で、なんとかうまく折り合っていけばいいじゃないか。神様は、もしかしたら存在するかもしれないけど、神様のことを知る能力を僕たちは持ち合わせていないのだ。・・・・・黒澤は、自分以外の神はたぶん信じていなさそうだから、こういう作品を作ってはいけない。ロシアの物語だから、北海道を舞台にするなんてあまりに安易ではないか。せりふ回しも殆どチエホフか何かの新劇の舞台みたいだし。・・・監督、作品には0点をつけてもいいですが、原節子、三船、久我美子の演技にこの点数をつけます。原節子ってけっこう上手な役者だったんだ、と思いました。・・・・最後にふと思うのだけど、武満徹は実は久我美子のファンだっただけだったりして???
【王の七つの森】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-09-25 16:58:18)
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