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遠泳ってしたことありますか?中学の時臨海学校で一度体験したんですけど、すごく不思議なもんです。マラソン大会どうやってサボるかばかり考えていた私なので、遠泳の日にもサボれるように朝の体温測定の時に脇の下を揉んで揉んで揉みまくって、熱があることにしようとしたけれどあっさり保健の先生に「泳いでらっしゃい」と言われ撃沈・・・でもまあ実際泳いで見ると確かに海岸線が遠くなって不安にならないでもないですが、折り返して海岸に向かう後半になると不思議と泳げる気がするんです。そして砂浜が近づくに連れ、これで終わってしまうの?何か物足りないなぁ、もっともっと泳げそうな気がするのです。そして陸に上がると普通水から上がった時って体が重いんですが、すごく軽いんですよ。ふわーっとしてて。あんなに遠泳嫌がっていた私だったのにとても気持ちが良かった。きっとマラソンの「ランナーズ・ハイ」っていうのもこんな感じなんだろう・・・えっ?何でこんな話をしたかって?佐藤純弥氏のフィルモグラフィー拝見しました。「君よ憤怒の河を渉れ」・・・ユリーカ。そういうことだったのか!この映画はまさしく「憤怒の河」と呼ぶにふさわしいものであったのです。「川」ではなく、「河」。これは中国の揚子江のようにとにかく大きな「河」なのです。あっちで実際に見たことありますが、当日うまい具合に霧が立ち込めていたせいもあって向こう岸が全然見えなくて、利根川とか信濃川くらいしか知らないニッポン人の私には海かと思うようなデカさでした。同じようにこの映画も、向こう岸の予測など到底つかない大河であり、自分の映画人生を賭け、自身の映画に対しオマージュを捧げた・・・つもりだったのかもしれません。これをずっと見ているとどんなにぬるい映画ファンでも叫びたくなること請け合いです。何じゃこりゃって。しかし次から次へと押し寄せるトンデモの細波にいつしか怒る気力さえ失い・・・気がつくと様々な感情を超越し、むしろ清々しさを感じる自分がいるのです。そう、それはかつて大海原を泳ぎきったあの時のような---どうだ純弥、泳ぎきってみせたぜ、この憤怒の河を!!・・・まあ私はシベ超なんかも見ているので、すでに憤怒の河は何度も越えてしまい、最早この手の映画に対して怒りの感情どころか征服欲が湧いている状態でありますが。君も渉ってみないか、この憤怒の河を。
【合言葉は埜波と軍曹/埜波(のなみ)】さん 1点(2004-07-29 21:58:41)(良:1票) (笑:2票)
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