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《ネタバレ》 朝鮮戦争を舞台に、家族の悲劇及び戦争の悲惨さを描いた映画。非常によい映画だと思った。ストーリーにも破綻はないし(弟の心臓病の中途半端さだけには残念さを感じる)、映像にも激しいまでの迫力がある。俳優たちの演技も、テーマからか力みのようなものを感じないでもないが、ぐいぐいと引き込ませるものを持っている。いろいろ考えてみて、映画としての出来はよいと言って間違いないかと思われる。なぜ主人公兄弟に弾が当たらないのかという疑問が頭から消えない人は、ほとんどのアクション映画を見ることをやめたほうがよいだろう。今現在、日本からこの程度の映画が生み出せるとは思えない。
しかし私は、映画の出来云々よりも、この映画を「お隣の国では、ほんの少し昔に同じ国の人間が殺し合うという悲惨な歴史があった」という事実を認識させられるべきものとして捉えた。日本も朝鮮の歴史に少なからず影響を与えているという事実も踏まえてだ(もちろん悲しい歴史を持っているのは朝鮮だけではない)。 映画に何を求めるかは人それぞれだろう。「戦争をダシして作った泣き映画」と捉えてそれ以上の何も求めないのもよいだろうし、エンターテインメント性に感心してもよいだろう。私の場合は、朝鮮戦争という史実がそこにある以上は、単なる「作品としての映画」以上のメッセージ性をこの映画に感じざるを得ない。そのメッセージ性が感じられることと、作品としての完成度の高さを合わせて、この映画を非常に心に残る作品と評させていただきます。 【ishikawa】さん 9点(2004-06-27 09:27:53)
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