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《ネタバレ》 これは「青臭い」と「分別ある」の葛藤を描いた作品ですね。テッサとジャスティンの出会いからしてそれをアピールしてました。最初は「この女、ウザイ」という描写をくり返し、結婚のきっかけもその青臭さを発展させるため、と解釈できるような演出。身持ちの軽さを匂わせる台詞。それでもジャスティンが彼女を全身全霊で愛していたという事実。テッサの死後自問自答をくり返したあげく、ひとつの確信を得る。ジャスティンというキャラクターから演繹すると、この結末しかないでしょう。ジョン・ルカレの原作ですから、もっと謀略が複雑に絡みあってるのかと思いましたが、よく考えてみると骨太な作品です。つまりね、ストーリー自体は、よく考えると「それは世間によくある話」だし「私に何ができる?」なんです。たぶんね、青臭さを忘れて、したり顔の大人になるってことへの警鐘を込めたんですよ。普通に考えたら、テッサって相手したくない人ですもん。テッサがアングロサクソンという設定だったら成立しないでしょうね。もっと嫌悪感が出て、底に流れているものを覆いかくしてしまうから。私、事象は異なりますが、よく似た体験を最近しているので意味がよくわかります。声高に叫ぶことによって変わるならば、恥じることなく叫びましょ。
【shintax】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-05-26 00:12:04)
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