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《ネタバレ》 封切り時観てたのですが、ブックマーク等をすべて失ってしまうという大惨事に見舞われてましたので今頃レビュー…
このヒュパティア(英語だとハイパシア)という人の存在、1969年(多分)から知識としてありました。角川書店から出てた「科学史物語」という本にこの件について記述があり、そこには「キリスト教徒によって石打ちにされ、肉片は骨から削り取られた」となっていたのでかなり鮮烈に覚えています。その本は父親が購入したのですがそのまま放置、当時中2で無線マニア&フォーク・クルセダーズ・ファンだった私がそれを読んだのですが、記憶の隅に置き去りになって40年。その間、中学高校の世界史、大学の西洋史(カトリックだったからここでこれに関する講座は当然ないか)では思い出すこともなく過ぎていって、朝日新聞の沢木耕太郎氏のコラムでこの映画の存在を知ったわけですよ。 最初、近所では公開されなかったので、ちょっと離れた大きな街で観ました。ヒュパティアが先進性があったことを示すため地動説+ケプラーの法則を組み込み、また古代の奴隷制からの解放と初期キリスト教がリンクしたように話を作って、現代の人々にもわかるようにしてますが、ちょっと無理があるんじゃないでしょうか。ただ、宗教がそのときの体制、人民を飲み込み、大きな流れとなって全く違った世界を作ってしまうってことは、この辺では2~300年のあいだに2回発生し、その後というか現代にまで影響をおよぼしているわけですから、その原初のエネルギーの一端が映像化されたってことは評価すべきだと思いますね。「ネロの迫害」から「ミラノの勅令」まで250年間のキリスト教徒のことは、日本に住む私たちはほとんど知りませんから。つけた点数は、古代アレクサンドリアを様々な文献・伝承からできるだけ再現しようとした熱意と、このまれな女性学者(次に学者として女性が出てくるのはキュリー夫人、つまり19世紀)を主人公に据え、古代における科学と宗教という問題を映像作品にしたことに対してです。 ところで、ネルソン・ミンゲラの息子マックス・ミンゲラ、ライティングによっては「小島よしお」に見えませんでした? 【shintax】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-04-25 19:26:17)
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