ぼくのエリ 200歳の少女 の ユーカラ さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ホ行
 > ぼくのエリ 200歳の少女
 > ユーカラさんのレビュー
ぼくのエリ 200歳の少女 の ユーカラ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ぼくのエリ 200歳の少女
製作国スウェーデン
上映時間115分
劇場公開日 2010-07-10
ジャンルホラー,サスペンス,ファンタジー,ロマンス,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 あちらこちらのサイトで「一つ覚え」のようにあげつらわれる検閲批判をこそ嗤う。

それは問題のショットが、単に通俗的な種明かしに過ぎないだろうからだ。
一義的な「正解」を映画に説明してもらわないと安心ができない観客たち。

相手の性別や種族がどうであれ、少年がその存在に既に惹かれ、受け入れている以上、彼が何を目撃したとしてももはや問題ではない。
本来ならば、リーナ・レアンデションが自身の性について語る2つの台詞と、カーレ・ヘーレブラントの目線のショットのみでニュアンスは誰にでも十分把握出来るはずだ。

彼の主観による下半身ショットは、酸で焼け爛れたベール・ラグナルの右半面を窓ガラスへ「ぼかし」気味に反映させた後さらにわざわざ明瞭に露呈させる2つのショットと同様、通俗的インパクトの為の蛇足にすぎないと言っても良い。

原作に依存した「模範解答」など、映画の解釈の多義性を狭めるだけだ。
そのような「外部情報」に依らずとも『ぼくのエリ』は、具体的画面の有り様において映画単体で十分素晴らしいのだから。

検閲を問題とするなら、解釈の「ボカシ」をではなく、画面自体の汚しを問題とするべきであるし、映画が、冒頭から「赤」の連鎖(あるいは伝播)を明確な視覚的主題としているなら、問題のショットに写るワンピースの色の有り様にこそ敏感になるべきだろう。
ユーカラさん [映画館(字幕)] 8点(2011-10-19 22:27:21)
ユーカラ さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-02-14キリエのうた2レビュー6.20点
2018-03-11坂道のアポロン5レビュー6.00点
2018-02-28シムソンズ7レビュー7.41点
2018-02-28空海 KU-KAI 美しき王妃の謎5レビュー4.85点
2018-02-25リバーズ・エッジ5レビュー5.33点
2018-02-24キングスマン: ゴールデン・サークル7レビュー6.35点
2018-02-18グレイテスト・ショーマン9レビュー7.32点
2018-02-18羊の木7レビュー5.90点
2018-02-18マンハント(2017)5レビュー4.70点
2018-02-07不能犯5レビュー4.36点
ぼくのエリ 200歳の少女のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS